映画紹介『女性の休日』

映画「女性の休日」のタイトル画像

 1975年の10月24日、北太平洋上(北極圏の南)に位置するアイスランドで前代未聞のストライキが決行された。この国の女性がまる一日、あらゆる場所での仕事・家事・育児、その他諸々を休んだのだ。女性の実に90%が参加し、首都は機能不全に陥った。「女性がいないと社会は回らない」という明白な事実を世界に証明した。

 この歴史的事件から50年を期して公開された本作は、ストライキを中心で闘った女性たちの現在のインタビューや当時の貴重な記録映像、柔らかでポップなアニメーションなどで多角的に構成されている。

 特に注目したいのは、職場や家庭での女性たちの決断と行動にフォーカスした部分だ。ある女性はいきなり夫の職場を訪れ子どもを預けてデモに参加した。ある女性は職場でデモに批判的だった年上の女性を説得して一緒にデモに。ある女性は勤め先の新聞社の上司に直談判。ある女性は航海中の船上で男性船員と議論したすえデモ会場へ連帯の電報を送った……。映像を見れば、特別な誰かではなく名もなき女性たちの人生的決断がいかに社会を変えたのかを実感する。

 アイスランドは現在、男女平等の指標「ジェンダーギャップ指数」で16年連続の世界一。それは誰かに与えらたものではなく、一人ひとりの勇気ある行動に基づいていることがわかる

 保守的な女性たちのスト嫌悪に対し、「休日」という名称での妥協が多くの女性参加者を得たと評価する映画評論も多い。しかし先駆的で前衛的な女性活動家たちのストライキへのこだわりがなければ何事もなしえなかったとも思う。

25年12月現在、全国で上映中だ。→映画『女性の休日』オフィシャルサイト

ちば合同労組ニュース 第185号 2025年12月1日発行より

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