実践的に考える職場と労働法

労働契約法18条―無期転換

18年4月に450万人、全体1500万人が無期転換の対象に

 2012年8月に労働契約法が改定され、次の3つの規定ができました。

①無期労働契約への転換

②「雇い止め法理」の法定化

③不合理な労働条件の禁止

 

無期契約への転換

 ①は同一使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えてくり返し更新された場合は、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換する制度です。13年4月1日からカウントが始まり18年4月1日に権利が発生します。
 権利が発生した労働者が申し込みすると、使用者は申込みを承諾したとみなされます。つまり使用者に拒否権はありません。
 例えば1年契約の場合、18年4月1日から19年3月31日までの間に申し込みをすれば、承諾とみなされ、無期に転換されるのは、その契約が終了する翌日の19年4月1日から無期に転換となります。
 無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とすることは禁止されています。他方、契約期間が1年以上の場合では6か月以上の空白があるとカウントがリセットされます。1年以下の場合は概ねその半分以上の空白でリセットされます。いわゆるクーリング期間です。
 無期転換は18年4月1日の時点で約450万人が対象となります。全体で約1500万人が対象となると思われます。実に全労働者の4人に1人にあたる数です。
 無期転換後の労働条件については、契約期間が有期から期間の定めなしになるほかは法律上は従前と同一とされています。
 しかし無期転換によって雇い止めの心配が軽減されれば、残業代の請求や年次有給休暇の取得などの権利行使を容易にし、あるいは労働組合の結成・加入などによって職場環境・労働条件を変えていく出発点にできるはずです。
 少し前の調査ですが、無期転換制度についての認知度には、労働者側は、連合が17年4月に実施した調査では、内容まで知らない人は8割超。使用者側では労働政策研究・研修機構の調査によれば民間企業の半数が「よく分からない」と回答しています。
 国立大学や自動車メーカーではすでに大きな焦点となっていますが、中小企業やサービス産業などではこれからという面もあります。あるいはほとんど権利行使できずに社会的焦点にならない可能性もあります。

職場の仲間と共に

 ここでは詳しく展開できませんが無期転換制度は、限定社員化などの究極の雇用破壊の攻撃であり、他方で非正規労働者の現実と闘いを反映したものともいえる産物です。
 いずれにせよ資本の攻撃と闘いぬき、そして闘いの武器・契機にしていくことが必要です。無期転換を職場や地域の仲間で一緒に集団で申し込むことを呼びかけることを組合内外でも議論していきたいと思います。
 一つの理想型は、職場の仲間と一緒に無期転換をかちとる渦中で組合に加入したり、結成することです。
 ちば合同労組でも取り組みを開始します。まずは組合員の職場状況を把握し、議論し、方針を立てます。また地域のみんなでビラまきなどをやって呼びかけたいと思います。無期労働契約転換申込書のモデルも用意します。

雇い止めを許すな

 無期転換申込権が発生する前の雇い止めや試験制度、クーリング期間を悪用して、無期転換を妨害する企業に対しては、組合を結成・加入し、団体交渉やストライキで闘うことを呼びかけます。
 雇い止めと闘うためには、会社に対して契約更新や無期転換の意思表示(申し込み)を行い、団体交渉を申し入れるところから始めます。

転換後の労働条件

 無期転換後は60歳、65歳まで働ける職場環境・労働条件・賃金を実現する闘いを全力で追求します。有期労働契約では雇い止めの心配もありますが、無期転換後は公然と労働組合を結成・加入して、まず年次有給休暇や残業代など法律上当然の権利を行使できるようにしたいと思います。さらには一時金や退職金の制度化、大幅賃上げなど、長く安心して働ける職場環境・労働条件を目指します。

既存組合の取り組み

 地域合同労組やユニオンの取り組みだけではなくそれぞれの職場の労働組合の闘いとして、無条件の無期転換、さらには正社員化を要求しよう。JR千葉鉄道サービス(CTS)での就業規則改悪と無期転換をめぐる闘争の教訓を活かし、さらに地域合同労組の特質を活用して、広く闘いを呼びかけていきます。
 できればホットラインを設置し、チラシなどで訴え、講師などを招いて講演会や相談会も検討します。3月の春闘集会を結集軸に取り組みを開始します。(S)

ちば合同労組ニュース 第90号 2018年01月1日発行より