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臨時国会

安倍首相改憲明言 〝改憲阻止〟を組合の課題に

法定労働時間の適用除外&上限100時間

 安倍首相は6月24日、産経新聞社の講演会で「臨時国会が終わる前に衆参両院の憲法審査会に自民党の案を提出したい」と述べました。
 「自衛隊を憲法にしっかりと位置付け、『合憲か違憲か』という議論は終わりにしなければならない」「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」とも言っています。
 秋の臨時国会は、改憲と労働法制が焦点です。大げさな話ではなく重大情勢です。労働組合として外に打って出る取り組みが必要だと思います。また「働き方改革」関連法案といわゆる「残業代ゼロ」法案が一括法案として国会に提出されることが予想されます。労働法制改悪との闘いも待ったなしです。
 「残業代ゼロ法案」は、労働基準法改悪案としてすでに国会に提出されています。(1)労働時間規制を適用除外とする高度プロフェッショナル制度の創設と(2)企画業務型裁量労働制の営業職への適用拡大――2つの法案です。
 まず(2)の「企画業務型裁量労働制」とは、事業運営に関する「企画、立案、調査及び分析」業務については、一定時間を働いたとみなす裁量労働を認める制度です。
 その対象業務として新たに「課題解決型提案営業」を加えるというのです。その具体的内容と範囲は不明瞭で、法人向けの営業はほぼすべてが対象との分析も。過労自殺が起きた電通(広告代理店)では3分の1の社員が対象になるとも言われています。
 前者の(1)は「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」。週40時間・1日8時間の法定労働時間規制を適用除外にして、労働時間ではなく「成果」を基準とした働き方にするというものです。つまり個人に課せられた「成果」を達成するまでが〝業務時間〟とみなされることになります。
 労働基準法関連では、ほかにフレックスタイム制の枠を1か月から3か月に拡大するなどの重要な動きもあります。

「働き方改革」関連法案

 これとは別に「働き方改革実現会議」などで議論されてきた、(3)「残業時間の上限100時間法案」やいわゆる(4)「同一労働同一賃金」の関連法案が臨時国会に出てきます。
 労基法36条に基づく36協定には〈1週間15時間、1月45時間、1年360時間〉という限度時間が設定されています。この「時間外労働の限度に関する基準」に基づき労働基準監督署は助言・指導を行う仕組みになっています。
 しかし、労使が合意すれば、弾力措置として限度時間基準を超えた時間数を設定できます(特別(エスケープ)条項)。この例外規定による青天井の36協定に対して労基署は行政指導はできますが、他の要件が整っていれば最終的に届出を受理します。協定が無効となることもありません。
 つまり事実上、労働基準法上の残業時間数には上限がないのが現状なのです。厚生労働省の調査では1か月の特別延長時間の内訳で最も多い時間帯は「70~80時間」でその比率は36・2%。過労死基準である「80~100時間」が16%、そして「100時間超」の会社が5・5%も存在します。その割合は、実は大企業ほど高いのが現状なのです。
  それを今度は上限規制で「100時間未満」にすると言うのです。当初、過労死認定基準80時間が攻防ラインと言われていましたが、朝日新聞6月4日付記事『働き方改革を問う』では、電通事件が転機となりつつも「連合の神津会長には〝100時間未満〟が苦し紛れの最後の手立てだった」という状況だったことが明らかにされています。
 この法案が成立すれば、現在の過労死の労災認定基準が80時間であるにもかかわらず、「100時間未満」が法律で明記されることになり、企業は「法律の範囲内」と主張できるようになります。
 今後の労災認定や労使協定・労働協約、雇用保険の認定基準(残業月45時間以上が連続3か月続けば正当な理由のある自己都合退職とされ、待機期間・給付制限なしで求職者給付が受給できる)などに、悪影響が及ぶことは間違いありません。
 そのほか「同一労働同一賃金」関連法案や、金銭解雇制度なども法案化されます。紙面が足りないので続きは次の機会に。
(書記長)

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労働学校へご参加を

 ちば合同労組では組合として労働学校に団体受講しています。組合員はぜひ参加して下さい。

 テーマ 労働法大改悪について
 日時 7月15日(土)13時~ 講師 片峯潤一(動労総連合書記)
 「労働者の闘争の本当の成果は直接の成功にあるのではなく、労働者の団結がますます深まっていくことにある」(共産党宣言)。階級的労働運動の勝利の展望を提起する。

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ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より

共謀罪反対デモ/国鉄集会に1600人

共謀罪反対デモ

国鉄集会に1600人

 国鉄闘争全国運動や動労千葉の呼びかけで6月11日、東京・江戸川区総合文化センター大ホールで国鉄闘争の全国集会が開催され、1600人が集まりました。ちば合同労組も参加しました。国鉄分割・民営化30年を迎え撃ち、国鉄闘争を先頭に労働運動の変革と再生を展望する集会となりました。(写真 上)

 韓国から鉄道労組の代表2人も参加し、午前中には共謀罪反対銀座デモを行いました。(写真 下)

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈働き方編12〉仲間づくり(2)

連載・介護労働の現場から〈働き方編12〉

仲間づくり(2)コミュニケーション

▼メンタル研修のムダ
 介護労働は、一日中歩き回っているといっても過言ではない。勤務中、他の職員と業務以外で口を利くヒマもない。シフト制で勤務時間が合わないので、帰りに飲み会なんてまずない。プライベートなことはほとんどわからない。
 そんな薄い関係でどうやって仲間づくりができるんだろう。仲間どころか労働に対する感想や不満を話す機会もなく、一人で労働のつらさやストレスを背負い込み、メンタル不調になっても無理して対人職をこなし、もう叫びたくなるような心の状態で勤務し、ついにバーンアウトで退職…が介護労働者の典型的な離職パターン。
 それに対し事業所は離職対策として、メンタル研修をやり、外部から来た講師が「規則正しい生活をしよう」「睡眠をとろう」「趣味を持とう」「合コン行ったら」と得意げにアドバイスする。
 ほんとムカつく。そんなこと到底できない働き方を強制してるのは経営側なのだ。こんなムダな研修に労働時間を奪われ、研修当日はサービス残業必至。参加者から搾取した残業代が講師のギャラに化ける。

▼ナンパする

 自分のメンタルは自分で守る。メンタル不調の原因となっている労働の問題は労働の改善でしか解決できない。一人ではできない。仲間が必要だ。コミュニケーションは自分で作る。会う機会を必死で見つけ労働の問題を話すのだ。
 仕事場以外どこで、会える?
更衣室、休憩室、職員トイレ、エレベータ、物品倉庫、洗濯室、喫煙所…。それらの場所で職員の姿を見つけたら、「お疲れさま」だけで済ませてはいけない。ナンパに躊躇(ちゅうちょ)してたら、仲間はゲットできない。まず顔の筋肉をゆるめ、チャラ男、おせっかいおばさん、ヘラヘラ女に瞬時に変身! 近寄って声をかけ、自己紹介してみよう。
 ほとんどの職員はコミュニケーションに飢えているのか、警戒心がなくナンパの成功率は高い。

▼秘密結社

 ナンパの壁を突破してもオルグするぞと暗い欲望を丸出しにしてはいけない。きつい労働やめんどくさい利用者も笑わせるネタに変えて、この人と話してると楽しいと思わせる。
 そのうち、ナンパ師が更衣室とか休憩室に行く時刻に合わせてくれるようになると、自然と仲間ができ、携帯メールの交換→情報共有が可能になる。休憩室にバレンタインチョコや誕生日プレゼントが積んであったりする。居酒屋やランチに誘っても都合をつけてくれて、さらに仲良くなる。
 次に、仲良くなったのを愚痴や気晴らしに終わらせない。「更衣室情報部」とか、「非非会議(非常勤非公式会議)」とかネーミングすると、秘密結社みたいで楽しいよ。そして行動は小さな反乱から始める。少人数の行動でも、メールやSNSを通じ、情報は、事業所全体に伝わる。経営側の言動は晴天白日の下にさらされる。もみ消すことはできない。(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より

映画紹介 『サンドラの週末』

映画紹介『サンドラの週末』

 ソーラーパネル工場で働くサンドラ。体調を崩して休職していたが復帰のメドが立った矢先の金曜日、上司からの電話で解雇を告げられる。臨時ボーナスかサンドラの解雇かの職場投票で16人中14人が賛成したというのだ。同僚のとりなしで、週明けの月曜日に再投票を行い、過半数がボーナスの放棄に賛成すれば解雇を撤回することに。仲間を取るかボーナスを取るか――週末、サンドラは家族と仲間に支えられながら、同僚たちを説得するため奔走する……という話。
 念のため、労働組合の実務においても法律においても絶対に認めることができない不当解雇であることは付記しておきますが、それでも興味深い設定の映画だった。

 ある同僚は配偶者が失業し、ボーナスがなければ生活できないと訴える。ある者は生活費が足りず週末も別の仕事。移民の非正規労働者は今度は自分がクビになると苦悩。仲間を裏切ったことに罪悪感を持ち、サンドラの訪問に涙を流す者。ある女性労働者は夫とサンドラの間にはさまれ葛藤。この町では転職しようにも仕事はほとんどない。ようやくありついた仕事を簡単に手放すことはできない。ボーナスも切実だ。
 サンドラは何度もあきらめ泣きわめく。「自分は必要ない人間なのか」「会社に残れたとして仕事を続けられるのか」。彼女が生きる自信を取り戻すため必死で支える夫や仲間。

 解雇投票は極端でずいぶん後退したラインでの労働者の闘いという印象もある。でも外注化や非正規労働者の導入など同じ状況はどんな職場にもある。職場の労働者全員と向き合い、討論する――ここに普遍性と可能性を見た思いがする。

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市(2)

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市(2)

まだ何もきまっていない。闘いはこれからだ

 前号で今年3月に策定された「柏市公共施設等総合管理計画(基本方針編)」は公立保育所と小中学校の統廃合と民営化を突破口にして、すべての施設の統廃合と民営化の検討と「総量の縮減」を目指していることをあきらかにしました。
 その方法が「トップランナー方式」(民間委託の度合いに応じて地方交付税の額を決めるもの)であり、柏では本庁職場の窓口などの業務委託が加速しています。「選択と集中」の名目で極限的な人減らしであり、職場の共同性や安全の破壊にさらされていきます。
 市当局は公立保育園を具体的にどうしていくのか、今年度中には決められない状態のようです。つまり、労働現場から反対の声がどんどん上がればこの計画を中止に追い込むことは可能だということです。
 特に「3年契約」の給食調理員や保育士の雇いどめを許してはなりません。労働者が立ち上がれば「保育所不足」と闘う保護者や地域の労働者も共に立ち上がるはずです。。

医療・福祉分野で先行

 2000年に始まった介護保険制度と、その後に始まった「地域包括ケアシステム」は、医療・福祉を巨大な「シルバー産業市場」にしていく攻撃です。政府は14年6月に地域医療・介護総合確保推進法を制定して、在宅医療・介護を促すことで医療費削減の攻撃が始まっています。
 柏市では国が主導する形で東大、UR(都市機構)、柏市が一体で「柏プロジェクト」という名称で在宅医療と介護(および介護予防)の「多職種連携」の取り組みがなされています。医師会を中心に社会福祉法人、ボランティア団体まで含めて膨大な層の人びとが携わっていますが、ここで働いている労働者の待遇や労働条件はどうなっているのか?
 力を入れている施策のうち、高齢者の「生きがい就労開発」について、賃金労働と「有償ボランティア」の中間的な「プチ就労」的なものと位置づけられていますが、働く人に低賃金と労働災害の適用の可否、労働基準法や労働三権はきちんと保証されるのか?
 背景には、年金支給を65歳からに引き上げて、高齢者に低賃金で働けということであり、ひいては労働者全体の非正規雇用を促進していくことがあります。これらが国の「一億総活躍社会」の具体策や介護予防として位置づけられていることに危機感を持ちます。
 ほかには「介護予防リハビリ事業者の開業(リハビリ特区)」(従来は病院や診療所、老健施設しか訪問リハビリはできなかった)と「サービス高齢者住宅(サ高住)」の建設と入居は、そこで働く労働者と利用者への高額な費用や処遇の内容は問題にならないのか?
 在宅医療をどう進めていくかは切実な問題ですが、本来は国が責任を持って行うものであり、従事する労働者も大きくは公務員かそれに準ずる労働条件の整備が必要です。

労働現場に団結と闘いを

 介護保険が始まるまで訪問ヘルパーは「準公務員」の待遇でした。しかしその後、全国の福祉施設では事故、慢性的な人手不足、長時間労働…。何かあれば「労働者の責任」にされ、〝自分のことで精一杯〟〝「横のつながりの欠如〟〝上役への「告げ口」や「足の引っ張り合い」〟……民間の労働者の質が良くないのでは断じてなく、営利優先の民営化が根本原因なのです。
 公務員の現場も共通するものがあるのではないか? 福祉政策の担当者や専門職は、一人ひとり違う相談内容と向き合い、その地域にどんな人が住んでいるのか地域全体を把握することで自分の業務に自信と誇りを持っている。しかし現実には、それ以外の議会や視察への対策、終わりのない統計や資料作り…全国で公務員の過労死やメンタルヘルスが社会的な問題になっている。
 お金では測れない仕事をしていることを同僚と会話・議論することは、自分たちの自身に高めていくことにつながると思います。

職場が一変する重大攻撃

 前号で取り上げた保育や学校の統廃合と一体で医療・福祉の民営化はすでに進行しています。柏市公共施設等総合管理計画は、国の動向と一体で職場が一変する重大攻撃です。これに対抗しうる労働組合をつくりたいと思います。学習会や懇談会を積み重ね、仕事内容や仕事への気持ちを含めて一から把握し、議論から始めたい。
 簡単ではないかもしれませんが、まずはこのニュースを手にした皆さんの率直な意見や感想をいただければと思います。

トップランナー方式による民間委託

16年度に対象にされた業務 17年度に追加される業務
学校用務員事務、道路維持補修・清掃、本庁舎清掃、本庁舎夜間警備、案内・受付、電話交換、公用車運転、一般ゴミ収集、学校給食調理と運搬、体育館管理、競技場管理、プール管理、公園管理、庶務業務、情報システムの運用 青少年教育施設管理
公立大学運営

 

 

 

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より

ローカル線切捨て反対 「守る会」設立 館山

ローカル線切り捨て反対

「内房線と地域を守る会」を設立 館山

 「内房線と地域を守る会」(松苗禮子代表)の設立総会が5月21日、館山市内の南総文化ホールで開かれました。ちば合同労組からも組合員数人が参加しました。総会には約100人が参加し、規約や活動方針、役員体制が決定されました。


 代表の松苗さんは「3月ダイ改で内房線が折り返し運転になることは絶対に許せない。特急がなくなり、今度は快速もなくなる。次にどうなるかを考えたら黙っていられない」と訴えました。
 来賓には、地元千倉出身の青木愛参議院議員、上総住民の足を守る会の代表、袖ケ浦市民が望む政策研究会の代表があいさつしました。
 総会では、国・関係自治体・JRに対する要請行動や署名活動が確認されました。
 参加者からは、内房線の削減で学生が通学できなくなったり、病院や通勤が困難になったという意見が次々と出されました。
 守る会の顧問になった弁護士の廣田富男さんは「鉄道は地域住民があって成り立つ。住民の意見を無視したダイ改は大問題だ。民営化によって効率優先で鉄道の公共性が軽視されている。住民の声を鉄道事業に反映させる仕組みが必要との声も上がっている。粘り強く運動を継続していこう」と訴えました。

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より

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労働学校へご参加を

ちば合同労組では組合として労働学校に集団受講しています。組合員はぜひ参加して下さい。
日時 6月17日(土)13時~

テーマ 労働法大改悪について
講師 増田 明生/ 働き方改革」とは何か、労働法制改悪との闘いに勝利する展望を示す。/ 【+職場からの闘いの報告】

実践的に考える職場と労働法/派遣法の2018年問題

実践的に考える職場と労働法

労働契約法・派遣法の18年問題

 今回は、いわゆる「2018年問題」について整理したいと思います。無期転換ルールとは、12年改定の労働契約法により「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換される」というものです。
 図のように13年4月1日以降の労働契約が対象となり、契約期間が1年の場合、その5年後の18年4月から無期転換申込権を持つ労働者が存在することになります。
 もっとも全員が18年4月から無期転換申込権が発生するわけではなく、例えば3年契約の場合はすでに16年4月で発生した人もいます(図)


 労働契約法18条によれば、無期転換申込権が発生した労働者から無期転換の申し込みがあった場合、使用者は申し込みを承諾したものと強制的にみなされて拒否できません。つまり申し込んだ時点で無期労働契約が成立します

2017年問題

 「18年問題」としてテレビや新聞で取り上げられていますが、実際には、企業側が「2017年中に契約更新をやめてしまおう」と雇い止めする17年から18年3月が大きな焦点となります。
 もう一つの18年問題が労働者派遣法です。派遣法が15年に改悪され、派遣会社と有期雇用契約を結ぶ派遣労働者は、同じ職場で働けるのは3年となりました。これは15年10月1日から適用され、18年9月30日が3年(抵触日)となります。
 他方、派遣法改悪で、「無期雇用派遣労働者」として派遣会社と雇用契約を結べば、3年ルールが適用されず無期派遣が可能となりました。
 大手派遣会社も軒並み導入しています。とはいえ無期雇用の場合、派遣契約が解除となって次の派遣先が決まるまでの間も派遣会社は賃金を支払わなければならず、「優秀なスタッフを囲い込むだけの制度だ」と批判されています。
 派遣労働者については話が少し複雑で、上記のように派遣受入期間の3年ルールによって派遣切りが行われる可能性がある上に、派遣法改悪前までは期間の定めのなかった26業種の派遣労働者で15年10月1日以前から継続して5年以上の雇用契約がある場合は、18年4月1日に労働契約法の5年ルールの問題が生じるので、派遣先・派遣元の双方から派遣切り・雇い止めがなされる可能性があります。
 いずれにせよ、2018年4月を前にして、無期雇用転換や派遣法の抵触日による無期雇用や直接雇用を拒んで契約を打ち切る企業が一斉に出てくる可能性が「18年問題」「17年問題」です。

限定正社員化

 法律では無期雇用転換は、契約期間のみが無期なだけで、それ以外は従前と同一の労働条件です。つまりパートや契約社員の労働条件のまま雇用期間だけ無期にするものです。政府の狙いは「限定正社員」化です。この場合、「無期」といっても従来の正社員とは違います。地域限定・職務限定であり、店舗や工場が閉鎖になったり、その業務が縮小・廃止になれば解雇できるというものです。
 結局、近年の深刻な人手不足を解消し、なおかつ低賃金のままで、しかもいつでも解雇できる〝雇用〟を創出しようとしているのです。ユニクロやスターバックスなどがこの方向でパートや契約社員の限定正社員化を進めています。
 他方で、早稲田大学や東北大学など、5年ルールの適用を免れようと5年以内の更新回数制限や雇い止めが大きな焦点になっています。
 JR東日本の子会社であるJR千葉鉄道サービス(CTS)も、契約・パートについては最長5年で雇い止めとし、選別した労働者のみを無期転換するという脱法制度の就業規則化を強行しました。これについては動労千葉の闘いによって、希望者が「65歳まで働きたい」と表明すれば全員を無期転換すると団体交渉で明言させました。

労働局の指導も

 無期転換を逃れようとして有期雇用労働者に3月末での雇い止めを通告していた一般財団法人消防試験研究センターに対し、東京労働局が是正指導し、争議は雇い止め撤回で和解したことがニュースになりました。東京労働局の指導は大きなインパクトを与えているようです。
 5月6日付の東京新聞には非正規労働者の85%が無期転換ルールを知らないと報じていました。おそらく18年4月を前に年末から来年3月にかけて焦点となることが予想されます。安倍政権の進める労働法制と雇用破壊、さらには個々の企業の雇い止めに対して、労働組合としてあらゆる戦術を駆使し、抵抗し、反撃し、闘いをつくっていく必要があります。組合員のみなさんの意見と議論をお願いしたいと思います。

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈働き方編11〉/仲間づくり(1)

連載・介護労働の現場から〈働き方編11〉

仲間づくり (1)立ち位置

▲お局さま
 介護職の離職理由の№1は、職場の人間関係である(最近は、施設の理念や運営に疑問という理由と拮抗している傾向にある)。
 働く前には、職場風土や人間関係はほとんど分からず、もう運命みたいなものだ。しかし、介護の現場には独特な特徴がある。
 まず、女性が多い。施設介護で女性の割合が75%、それも40歳以上が過半数。夜勤などきつい仕事を安い給料で、頑張っている中年女性というイメージ。
 はっきり言ってけっこう気の強い人が多い。「一回で覚えて!」「前に言ったよね!」と新人を鍛え、仕事に慣れてくると、いくらでも仕事を押しつけてくる。利用者の情報は教えず、わざと新人が失敗するように仕向けたりもする。
 オープン後経過している施設では、それが独特の施設内社会を形成し、「お局さま」(あるいは、その取り巻きグループ)という仕切り屋がマイ(アワ)ルールを押しつけてくる。ミーティングで決まったことなど平然と無視するし、施設長の忠告などどこ吹く風。最悪、こういう施設でどう働けばいいのか? 辞めちゃうほうが早いけど、あえて働き続けるなら、自分の立ち位置を決める必要がある。

▲おひとりさま
 なぜ働くか? 生活費を稼ぐだけの目的なら介護職は割に合わない。他の職種のほうが条件がいい。介護という仕事に貢献し、専門職として充実した日々を送るため。
 それが、いわばコンセプトだが、介護はチームワークなので一匹オオカミでは仕事ができない。まず、お局対策。お局さまは、頼られるのが大好き。かといって無理に媚びることはない。お局のプライドを壊さない程度に共感する。さりげなく「なるほど」と持ち上げておく。
 そして、お局だけでなく他の職員に対してもあいさつや笑顔をたやさない。仕事は100%確実にやる。できれば先輩に対してプラス10%のフォローをする。
 プライベートなことは、聞かれたことだけ控えめに答え、噂話や悪口に対しては、乗らないで、聞くだけにする。牙は隠しておく。団結の第一歩は、弱いもの同士、対立しないというのが鉄則。
 このような立ち位置は、他の職員には「ちょっと天然だけど、愛想は悪くないし、仕事ちゃんとできるから、まあいいか」と思えるかもしれない。適度な「おひとりさま」を保ちつつ次に備えるのだ。
 お局さまは、みんなで決めたことも守らないのだから、実は「裸の王様」。そのような施設内のヒエラルキーに、ほとんどの人は飽き飽きしている。利用者の情報は共有化し、仕事は平等に分担するという方向に変えていけばいいのだ。シフト制だから、お局さまがいない日は週の半分近くはある。その時にお局ルールではない方法に少しずつ変えていく。
 次回は、いよいよ仲間づくりについて。
(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より

映画紹介『 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』

映画紹介

『 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』

 地方鉄道を舞台にしたシリーズ第2弾。富山地方鉄道運転士のドラマを描く。三浦友和が演ずる主人公は、富山県の地方鉄道に勤務する実直一筋の運転士。1か月後に定年を控え、退職後は妻と海外旅行に行こうと計画していた。ところが妻(余貴美子)は、「(夫の退職後は今度は自分が)終末医療の看護師として働きたい」と話す。妻は若い頃、看護師だったのだ。退職後は夫婦でのんびり過ごそうと考えていた夫は「そんなことは認めない」と口論になり、妻は家を出て行く。
 妻の気持ちを理解できないまま退職までの残りの日々を運転手として過ごす夫。会社から頼まれ、乗り気ではないが新人の研修を担当。彼女とけんかして遅刻した新人に「運転士になる資格がない」……。家に戻ってきた妻に理解を示すつもりで「気が済むまで仕事をすれば良い。ある程度働けば気が済むだろう」。夫が自分のことを何も理解していないことを知り、妻は離婚届けを突き付ける。映画はずっと夫の目線で進み、妻の気持ちは理解できない展開になっている。
 実は、妻はがん検診で再検査となり死を意識、自分の人生がこのままで良いのか悩み、がんで亡くした母親が家に戻りたかったのに病院に入院させたまま何もしてやれなかったことを後悔していたのだ……
 思いのほか緊張感のある展開が続く。最後はある事件をきっかけに大団円に向かいます。定年を目前にした実直な運転士とその妻が人生の節目を迎え揺れ動くさまを描く。西武鉄道で活躍したレッドアロー号が物語を進める役回りですが、鉄道映画というよりお仕事ムービーです。

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市

現場労働者の団結を議論と闘いの基礎に

公営住宅 老朽化が著しい施設は建て替えを前提とせず、築40年以上が経過している4施設については、廃止に向けて段階的に着手します。
私立保育園の整備 必要なサービス量の確保については、私立幼稚園の整備により対応します。公立保育園(23園)のありかたについて、廃止や民間事業者への移行を含めて検討し、送料の縮減を図ります。
小学校 適正規模に満たない小規模校のうち、単学級以下の学校(小学校4校、中学校1校)を対象に、隣接校との集約化(統合)を含めた検討を進めます。
庁舎・出張所 出張所はマイナンバーの普及に伴い、自宅やコンビニで証明書を取得できることから、統廃合も視野に入れて検討します。

「柏市公共施設等総合管理計画(基本方針編)」より

 柏市は3月に「公共施設等総合管理計画(基本方針編)」を策定しました。150㌻に及ぶもので、市の庁舎や出先機関、学校をはじめ建物と道路や水道管などのインフラを部門ごとに列挙して、統廃合や民営化を示唆しています。
 職員の処遇や身分については言及していませんが、この通りに進めば、市の職員として残るのは幹部(候補)職員だけとなり、それ以外の大半の公務員は雇用の期限付きの非正規職員や民間の労働者に置き換えられることは、容易に想像がつきます。
 運営方法としては民間施設への転用・活用が前提になっており、たとえば「マイナンバーの普及による『コンビニ交付サービスの活用』により、市民課などの証明書申請・交付窓口も縮小し、施設を前提としないサービス提供方法へ変更する」と書いてあります。自治体のありかたの大転換がはらまれています。

公立保育園全廃も示唆

 今回、特に強調されているのが市営住宅と保育園と小中学校に関わることです。

公営住宅については「老朽化が著しい施設は建て替えを前提とせず、築40年以上が経過している4施設については、廃止に向けて段階的に着手」

公立保育園の今後について市として初めて言及し、「必要なサービス量の確保については私立幼稚園の整備により対応します。公立保育園23園については、廃止や民間事業者への移行を含めて検討し、総量の縮減を図ります」

・小学校については「適正規模に満たない小規模校のうち、単学級以下の学校(小学校4校、中学校1校)を対象に、隣接校との集約化(統合)を含めた適正配置の検討を優先的に行います。学校の適正規模を維持し、規模の縮減(ダウンサイジング)も検討」

 ――と記載されています。公立保育園の廃止や民営化についてはこれから具体的に対象園を絞っていくと思われます。
 公立保育園で働く労働者の多くは3年契約の「任期付き職員」です。雇い止めをさせない闘いが必要です。そもそも、日々子どもたちや保護者のことを真剣に考えて働いている職場と労働者が簡単にリセットされていいわけがありません。
 まず何が起きようとしているのかを真剣につかみ議論を開始することが必要です。労働運動・労働組合の課題であり、それぞれの職場で働く労働者が団結して闘うことが事態を転換させることを、議論と闘いの基礎にすることだと思います。

激変する自治体職場

 少し大きな視座で見ると「自分たちの子どもの時代には正社員や正職員がなくなる」現実味が増えています。仕事がきつくなって職場の団結や連帯感も薄れ、アクシデントや失敗は「個人の責任」にされ、「告げ口」「足の引っ張り合い」も増えかねません。
 でも、この悪循環は労働者の団結で断ち切れると思います。まず現場で起きていることを一緒に議論し、団結を固めて職場を変えていく展望をつくっていく。労働組合にはその力があるはずです。まずは、そのことにエネルギーを注ぎたいと思います。
 例えば、この10~15年で公的介護の現場は劇的に変化しました。2000年に介護保険制度ができる前は、従事する労働者は公務員かそれに準ずる待遇を受けていました。それが介護保険によって民間参入と競争原理が持ち込まれ、いまや介護職場は最低賃金スレスレの低賃金や人員不足、長時間労働などが深刻化しています。離職率の高さがそれを物語っています。
 1987年に中曽根政権が労働組合つぶしと利権を目的に強行した「国鉄分割・民営化」から今年で30年を迎えていますが、JR各社も「選択と集中」でローカル線の廃止(北海道は路線の半分が維持困難)や、運転士や駅員を含めた外注化と非正規雇用化が焦点になっています。国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、十数年間、鉄道業務の外注化と闘って食い止めています。(投稿/次回へ続く/柏市公共施設等総合管理計画全文は柏市ホームページより閲覧可能)

ちば合同労組ニュース 第83号 2017年6月1日発行より

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