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12月9日 習志野市障害者解雇撤回裁判傍聴にご参加ください

12・9習志野市障害者解雇撤回裁判へ

習志野市での障害者解雇撤回の裁判闘争がいよいよ始まります。

第1回は12月9日(金)13時30分 千葉地裁601号法廷です。

解雇撤回へ向け署名運動も始まっています。ぜひご協力を。津久井やまゆり園事件や電通新入社員の過労自殺事件など今の社会を鋭く問う闘いです。ちば合同労組はこの闘いに全力で取り組みます。大法廷です。組合員の皆様、平日昼間ですが都合のつく方はぜひ傍聴にご参加ください。友人・知人、職場の仲間を誘ってご参加ください。13時に地裁前に集合します。よろしくお願いします!

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

労働者が団結して闘うことに選択肢と希望を

労働者が団結して闘うことに選択肢と希望を

最近、1994年に発表された論文を読む機会があった。07年に制定された労働契約法の音頭を取った著名な労働法学者が書いたもの。これを読むと、労働基準法などによる労働条件の集団的決定から、労働契約(法)に基づく個別労働条件の決定へと転換させること、そして労働争議については労働組合による集団的労使関係から労働審判や個別労働紛争解決制度へと転換させる意図が簡潔明瞭に書いてある。筆者は労働法の世界では最高権威者ともいうべき人物だが、明晰な経済評論家が書いたような論文で、これが、日経連報告「新時代の日本的経営」の前年に発表されていたことを知って背筋が冷たくなった。
残業代ゼロ制度もそうなのだが、労働基準法の労働時間規制などを適用除外にして、個別に労働条件を設定していく志向が強烈に強まっている。労働契約法は採用から契約終了までの個別労働条件を民法的発想で規制する法律である。まだ未完の法律と言われており、今後、労働条件の全領域を包括する法律になっていくことが予想される。
p0077_01_01b いま安倍政権が狙っている金銭解雇制度なども労働契約法の制定時から議論されているし、出向や転籍、有期雇用問題なども包括する構図になっていくと思われる。
いろいろありますが、一番大切なことは、本来、労働法は労働組合の闘いと工場労働など集団労働に規定されて、労働条件を集団的に設定することに意味があります。集団的労使関係は労働組合だけの問題ではありません。
労働者が団結して自らの労働と生活を守る――このこと自体を葬ることが画策されています。労働者が団結して闘うことに選択肢と希望があることを示す。これが私たちに何よりも求めらていることだと思います。
(書記長)

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

全国労働者集会全国から5800人が参加

全国労働者集会5800人

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日比谷野外音楽堂で11月6日、動労千葉などの呼びかけで全国労働者集会が開催され、全国から5800人が参加しました。韓国から民主労総ソウル地域本部や公務員労組、無期限ストを闘っている鉄道労組が総勢35人で参加。米独からも労組代表団が参加しました。
集会は、国鉄1047名解雇撤回闘争の訴えや、安倍政権の「働き方改革」、小池都知事の東京丸ごと民営化との闘いなどが訴えられました。
JR・郵政・自治体・学校・医療・民間……いろんな職場で闘いが始まっています。闘う労働組合の再生へ全国の仲間と連帯してがんばろう!
ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

実践的に考える職場と労働法-賃金/賃金闘争の闘い方

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賃金/賃金闘争の闘い方

賃金は、労働者にとって生活を成り立たせるための重要なものであり最重要の労働条件の一つです。
労働基準法には、労使が対等の立場で決定することを原則としつつ、法律でその支払い方法などについて様々な保護規定を置いています。
労働基準法では、賃金については、労働契約の締結時と就業規則において労働者に必ず明示しなければならない事項として規定されています。
「賃金規定」「給与規定」を就業規則とは別の規則として作成し、社員に見せない使用者がいます。賃金規定も就業規則の一部なので周知義務もあります。もちろん、その作成・変更にあたっては所定の手続きが必要となります。つまり、賃金規定の改定は一方的にはできないのです。
労基法では、労働協約・就業規則・労働契約であらかじめ支給条件が明確になっているもの(慣行も含む)は、すべて賃金とされ、以下の法的保護を規定しています。
とはいえ、最低賃金の設定や各種差別待遇の禁止などの規制はありますが、賃金の決定そのものについては、つまり賃金体系・ベースアップ・定期昇給・人事考課などは、労使で自主的に決めることになります。

賃上げ春闘

従来、日本の労働者の賃金は、定期昇給とベースアップが昇給の一般的な形態でした。定昇は、一定の時期に年齢や勤続年数、職能資格の上昇に伴って賃金額が年功的に上昇する仕組みです。ベースアップは、賃金の基準額(賃金表)そのものを改定し賃金の全体的底上げを行うことを指します。
日本では、1955年ごろから全国一斉の春闘が始まりました。鉄鋼・電機・造船・自動車などの民間主要企業で妥結された結果が「春闘相場」を形成し、この相場が他産業・他社の交渉、組合のない企業の賃上げ額などにも影響を与えました。公務員の賃金(人事院勧告)にも連動しました。
かつては春先になると春闘ストライキで交通機関が止まるニュースが流れました。街中に組合の赤旗がたなびきました。春闘ストを指導したとして日教組の委員長が逮捕されこともあります。
動労千葉の中野前委員長は、労働者を分断する一番基本的でオーソドックスな手段は賃金であると指摘し、それを賃金闘争の重要性の理由としています。「賃金闘争で一番大事なことは、賃金と賃金闘争を通しての分断攻撃を許さないこと」と言っています(中野洋著『甦る労働組合』)。
近年、賃金の集団的決定が著しく後退し、個別賃金化が進んでいます。これを打ち破る賃金闘争が求められています。確かに会社は、労働者には容易に把握できない複雑怪奇な賃金体系をつくります。
これによって「会社の言うことを聞けば賃金を上げる(逆も)」「会社が儲かれば労働者もよくなる」という考えに染まっていきます。労働者の分断を打ち破って団結を生み出す大幅一律賃上げの闘いが必要です。
千葉県の最低賃金は10月1日から時給842円となりました。東京は932円。これ以下の労働契約は無効となり、最低賃金額に書き換えられます。罰金は50万円。

賃金の支払方法

賃金を確実に支払わせるための4原則は以下の通り。

1通貨払原則 通貨による賃金支払いを義務づけ、価格が不明瞭で換金に不便な現物支給を禁止しています。労働者が真に自主的に同意すれば銀行口座への振込はOK。労使協定で定期券の現物支給などもできます。

2直接払原則 親権者・親方・仲介人・代理人など第三者による中間搾取を防止するための規定です。賃金の差し押さえも4分の3の部分は禁止されています。

3全額払原則 戦前の芸娼妓契約が典型ですが、親が多額の金銭を借り受け、子どもが無報酬で働いて借金を返すような不当な人身売買・労働者の足止め策は、労基法17条で禁止されていますが、直接払・全額払原則にも違反します。

4毎月一回以上一定期日払原則

休業手当

使用者の責めに帰すべき理由による休業の場合、使用者は、平均賃金の6割以上の休業手当を支払う必要があります。民法では、賃金全額を請求できます。
労基法上の休業手当は、労働者の生活保障のために、使用者の帰責事由をより広い範囲で認めています。使用者に故意や過失がなく防止が困難なものであっても、使用者側の領域で生じた、機械の故障や検査、原料不足、官庁による操業停止命令なども含むと解釈されています。
未払い賃金の時効は2年、退職金は5年です。労働基準監督署に申告して指導・勧告させることもできます。
倒産した場合、労働者健康福祉機構の未払賃金立替払制度が倒産した企業に代わって8割を支払ってくれます。

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

連載・介護労働の現場から〈働き方編5〉機械とパソコン

連載・介護労働の現場から〈働き方編5〉

機械とパソコン

機械化で腰痛を防ぐ

90年代に先進国では、健康被害を理由とした労働者の要求で介護の機械化が行われた。導入にさほど労使の対立はなかった。日本では、労働基準法でモノの取り扱いには重量制限があるが、対人労働はその重量制限から外されているため、介護職は腰痛などの健康被害が慢性化している。
ところが現場の労働者にはリフトなどの介護機器は評判が悪い。「介護はこころ」より大きな理由が「装着に時間がかかるから」。
抱きかかえて「せ~の!」で一発に移乗すれば利用者一人当たり2秒ですむが、リフトを使っていたら二人で2~3分かかる。それでは時間内に業務がこなせないというわけだ。
時間内に業務がこなせなければ人を増やせばすむハナシではないか。労働者の健康のほうが大事だ。腰にコルセットをし、整骨院に通い、重症になると一生台なしになってしまう。なのにどうして機械化に抵抗するのか? なんでもかんでも人の手でやるのではなく、機械や道具の手を借りて、腰痛のない職場にしよう。

ICT化に備える

機械化と同じく、介護現場で進んでいないのがICT(情報通信技術)化である。
介護保険の役所への請求は原則インターネット経由なのでパソコンのない事業所はまずない。しかし、介護の現場では、記録は手書き、引継ぎや連絡も口頭かノートのアナログが支配している。
介護は介護保険上、利用者に何かケアをするたびに書類の作成が必要だ。公的文書なので手書きの間違いは横線で消し、書き直して修正印を押す。記録はかなりの量で、そのためにサービス残業したり、肝心の介護はほったらかしになる。それでもパソコンに慣れない介護労働者は苦手意識が強く業務に手一杯で、パソコンなんて触ってられないと反対が強い。
経営者がICT化しないのは、PC本体にソフトやアプリ、無線LANなどの設備投資が必要だからである。
デジタルの世の中で介護分野のICT化はさけられない。労働者がパソコン苦手なんて理由で抵抗していると足をすくわれる。どれだけ人員不足であっても人への投資をしない(できない)経営側は、ICT化投資を理由にさらに人員を減らすだろう。

ちっぽけなプライド捨てる

p0077_03_01a 機械化もICT化も人員不足と密接な関係がある。労働者が国や経営者が決めたシステムを絶対視し、ちっぽけなプライドで後ろ向きに抵抗するのは国や経営者の思うつぼ。使い捨てられるだけ。
パソコンやるよ、機械化結構。でもその金でまず人を増やせ。機械やパソコンを操作するのは労働者だから、人増やさなきゃ、みんなでストライキやるよ…それくらいの大きなプライド持ちたいね。(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

映画紹介『RAILWAYS/49歳で電車の運転士になった男の物語』

映画紹介『RAILWAYS/49歳で電車の運転士になった男の物語』

p0077_03_02a 以前にみた映画ですが思い出しながら書きます。
中井貴一が演ずる筒井肇は大手家電メーカーの経営企画室長。取締役への昇進も決まっている。妻と娘の三人家族だが最近少し距離感がある。ある日、母が倒れたとの連絡、さらには親友の事故死の知らせ。肇は故郷の島根に帰省し、実家で一畑電車の運転士になる夢を思い出す。東京に戻った肇は、妻と娘に自分の決意を話す。
49歳で大企業の出世頭だった肇の応募に面接官は驚くが、その熱意を知り採用を決める……
晴れて運転士になって勤務中、母の容態急変の知らせ。肇は同期入社の青年・宮田に運転を替わってもらい病院へ。宮田は電車好きの少年を運転室に入れ、こっそり運転させる。これが乗客に撮影され、ネット上にアップされて大問題に。肇はすべての責任を負って辞職を申し出る。世間のバッシングを避けるため、一畑電車も肇の辞職を受け入れる。
肇の退職日に乗客たちが集まり、肇の残留を懇願。その熱意に負け、社長は肇の辞職を取り消す……という話です。
平凡といえば平凡なストーリーですが中井貴一の演技は良い。エリートとして工場閉鎖を非情に強行し、親友の挫折と死の引き金を引く。娘からは無視され、妻とはすれ違い。そんな49歳男が故郷で子どもの頃の夢を目指す。
肇にとって運転士は夢の実現だが、プロ野球選手の夢をあきらめた青年・宮田には挫折でしかない。そんな宮田に対する肇の言葉。定年を迎えた整備士の言葉。悪くないと思います。けっこうお薦めです。むしろ外国映画だった方が感情移入できたかも。

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

韓国労働運動から学ぶこと

高揚するパククネ退陣の闘い

韓国労働運動から学ぶこと

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お隣の国、韓国ではパククネ退陣を求める百数万人規模のデモが4週あまり続いています。08年リーマンショック以来の大恐慌の深刻化は、韓国の政治経済に未曽有の危機をもたらし、韓進海運の経営破綻やロッテ不正資金問題など、韓国の財閥企業を軒並み危機に陥れています。
そうした中でパク政権は、成果年俸制を拡大し、かつ業績評価の低い者は解雇できる「成果退出制」も画策しています。さらには鉄道公社の分割・民営化をはじめ公的部門の大掛かりな民営化を進めています。
これに対し約70万人を組織する民主労総が断続的なゼネストで闘っています。この数十年の世界の歴史で、この規模の労働組合のナショナルセンター(全国組織)が組合員の団結を維持し、ゼネストで闘い続けているのは、画歴史的なことです。

民主労総の源流

1970年、ソウル市内の平和市場の縫製工場で働く全泰壱が若い女性労働者の過酷な労働環境に抗議して焼身自殺したことが民主労総の源流の一つです。
チョンテイルは幼い女工が病気を理由に解雇されたことを助けようとして自らも解雇され、その後、独学で労働法を学び、労働庁や経営者に働き掛け、さらには集会を準備したところ、警察に強制解散されそうになり、ガソリンをかぶって焼身自殺を図り、22歳の若さで息を引き取ったのです。
朴正煕(パクチョンヒ)軍事政権のもと外資を稼ぐ輸出産業の過酷な労働環境はフタをされていました。しかし事件をきっかけに労働者の悲惨な境遇が報道されるようになり、労働運動が活発となりました。
70~80年代、多くの大学生が経歴を偽って工場に就職し、軍事政権下の厳しい状況のもとで非公然的に労働組合を組織化したのです。
1987年、韓国全土で起きた大規模な民主化闘争で全斗煥(チョンドファン)大統領が民主化宣言(大統領直接選挙制など)を出すと、それまで労働組合がタブーだった現代自動車などの大企業で次々と労働組合が結成され、即ストライキとなりました。約3か月で200万人が参加し、数千の労働組合が生まれました。これが1995年の民主労総につながっていきます。

労働運動の可能性

日比谷野音で開催された11・6労働者集会には、民主労総ソウル地域本部や鉄道労組から40人近い代表団が参加しました。11月12日にはソウルでの民主労総決起に動労千葉などから200人以上の訪韓団が参加しました。
パククネ退陣の闘いとその中軸を担う民主労総の存在は、世界の労働運動に大きなインパクトを与えています。
紙面も足りず、多くは書けませんが、職場から闘いと団結をつくる努力、11・6集会のような闘う労働組合の全国ネットワークをつくる努力は、日本で労働組合を再生する道筋をつくるはずです。
そんなことを思わせた韓国・民主労総の存在でした。

ちば合同労組ニュース 第77号(2016年12月1日発行)より

団結して闘うこと 労働者の選択肢に

団結して闘うことを労働者の選択肢に

組合員のみなさん。共に闘う仲間のみなさん。
ちば合同労組は節目となる第10回大会を開催しました。結成から9年、地域の合同労組として組合作りに取り組み、10月2日には4労組を集めての労働者集会をかちとるなど、一定の前進をかちとった地平の上に第10回定期大会を開催しました。
この1年間の闘いの中で、ユニオン習志野に続き、介護職場での分会や地域の病院での新労組の設立は、ちば合同労組の建設にとって本当に決定的なことです。職場分会の成否は地域合同労組運動の今後に関わるテーマです。
職場の状況を変えるためには、なんといっても労働組合を自分たちで作って、団結して会社と闘うこと、行動を開始することです。この精神と実践を復権させることが私たちの使命です。
これから第20回大会を目指して新たな闘いを開始したいと思います。成果としては本当にささやかですが、これまでの方向性に確信を持ちつつ、今後の課題は、これを量に転化することではないかと考えています。
n0076_01_01a 誰でも加入できる身近な地域の合同労組という特質を活かし、より広範な労働者の中に入ってゆき、労働組合をつくって団結して闘うことが労働者の選択肢になるような存在を目指します。
多くの闘いは、一人から始まりますが、ここから職場の仲間の団結をつくりだし、地域的な団結へと結びつけ、やがては全国の団結へと拡大してゆけば、韓国・民主労総のよう闘いは可能です。
11月6日の全国労働者集会に結集し、労働者の団結の力を示そう。
(委員長)

ちば合同労組ニュース 第76号(2016年11月1日発行)より

生理現象で運転士不適格なのか!?

生理現象で運転士不適格なのか!?

処分撤回・乗務復帰まで闘う

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(写真 10月21日動労千葉と支援は銚子運輸区門前で抗議行動を行う)

JR千葉支社は、動労千葉の組合員の運転士が佐倉駅で我慢できずに運転席から用を足した問題で、運転士の職を剥脱(はくだつ)してCTS成田駅に強制出向させる通知を行いました。信用失墜を理由に減給処分に加え運転士生命まで断つというのです。絶対に許すことはできません。動労千葉は怒りの反撃を開始しました。
時間厳守が求められ、運転席から離れられない乗務員にとってトイレ問題は切実で深刻です。「自分のトイレで列車を遅らせるわけにはいかない」と必死に耐えて、それでも我慢の限界に達した。これが一人の労働者の人生を奪うまで責め立てることなのでしょうか?
今回の問題は、福知山線脱線事故と根っこは同じです。この事故は、人格や人権まで否定して運転士を締め付けたことが、些細なミスを107人の生命を奪う最悪の事故にまで拡大させました。
こんなことを続ければ重大事故が起きます。処分撤回・乗務復帰へ闘う動労千葉と共に反撃の声をあげよう。

ちば合同労組ニュース 第76号(2016年11月1日発行)より

職場闘争と労働基準監督署の活用

jissen-hou-1実践的に考える職場と労働法

職場闘争と労働基準監督署の活用

みなさん、労基署に行ったことありますか?
労働基準法7章は、監督機関や罰則を定めています。監督の仕組みは、国の直轄機関として厚生労働省労働基準局→都道府県労働局→(管内)労働基準監督署があり、これらの機関には労働基準監督官が配置されています。
都道府県労働局長、労働基準監督署長などのポストは労働基準法によって、専門職員として独自に採用された労働基準監督官であることが要件となっており、その罷免には労働基準監督官分限審議会の同意を必要とします。これは、強力な監督権限を持つ監督官の資質の保障と、政治的圧力に左右されない身分の安定のためとされています。
労働基準監督官については、ちょっと前に竹内結子が主演した連続テレビドラマ『ダンダリン/労働基準監督官』で描かれました。
労基署には、監督・安全衛生・労災補償などの部署があります。
「監督業務」は、労働条件の最低条件を定める労基法や労働安全衛生法などの実効性を確保するために、監督官は、立入権限などを活用した監督指導によって、法違反の是正を促し、迅速に労働条件の確保を図るとされています。重大・悪質な事案は司法処分も可能です。
「安全衛生業務」は、労働者の生命と健康を守るため、労働安全衛生法の規定に基き、事業者が労働災害を防止するための具体的措置を実施できるよう専門技術的見地から行政を展開します。
「労災保険・徴収業務」は、使用者の災害補償責任を担保するための制度である労災保険の適用促進や徴収、給付などを行います。

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依存・期待は危険

労働基準監督署は、〈職場闘争や組合の団結強化のために利用する〉というスタンスがいろんな意味で大切だと思います。依存したり期待するのは危険です。
そもそも窓口に座っている相談員は、まず監督官でありません。大半は、非正規職員(約6割!)の総務・人事経験者や社会保険労務士。ハッキリ言って窓口にやってくる労働者を体よく追い返すのが仕事なのではないかと思うような人物がけっこういます。
解雇など判断が難しい案件は、受け付けないか、他の解決手段を勧めてきます。セクハラやパワハラを相談しても「労働基準法違反ではないので対応は難しい」と言われます。
賃金や解雇予告手当の不払い、36協定違反の時間外労働、最低賃金を下回るなど明確な法令違反は、証拠をもとに申告すれば、監督から是正勧告へと動く可能性はそれなりにあると思います。
とりわけ近年は、相談数が激増して、実際問題として対応しきれなくなっている実情があるようです。
監督行政は、〝通達行政〟ともいわれ、厚生労働省の行政通達を基準・根拠に処理されているのが実態です。
ドラマ放映後、労働者の味方を求めて労基署を訪れた人が「竹内結子はいないのか」とつぶやいたなんて話もあるようですが、監督官は、結局のところ、官僚的な対応に終始して、使用者から「労働者の味方か」と言われ、労働者からも「使用者の味方か」と言われているのが現状です。
救いを求めて労基署を訪れ、相談員の素っ気ない対応にショックを受ける人も少なくありません。労基署にとどめを刺されてメンタルヘルスになる話も聞きます。

職場闘争の戦術

とはいえ職場の労働基準法や労働安全衛生法の違反と闘うことは、労働組合の基礎的な活動であることは間違いありません。職場闘争と結びついた労基署の活用はあってしかるべきだと思います。労基署に一度ぐらい行くことも経験の一つだとも思います。
上述のように相談ではほとんど相手にされません。はっきりと違反事実をつかんだ上で是正を求める(申告)のか、違反者の処罰を求める(告訴・告発)が有効です。まずは相談員ではなく監督官を引っ張り出さなければなりません。相談案件として処理されるとうやむやで終わります。
申告は文書で口頭でも可能です。組合で労基署長宛で文書を提出し、回答を求めればなお良いと思います。申告を受けた監督官は、臨検(申告監督)を行うことになります。そこで法令違反が認められた場合には、その是正のための行政指導を行います。法令違反は是正勧告、改善が必要と判断された時は指導票を交付します。
職場のみんなで押しかけるとか、団体交渉と組み合わせるか、職場闘争の戦術として活用は可能ではないかと思います。

ちば合同労組ニュース 第76号(2016年11月1日発行)より

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