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ローカル線切捨て反対 「守る会」設立 館山

ローカル線切り捨て反対

「内房線と地域を守る会」を設立 館山

 「内房線と地域を守る会」(松苗禮子代表)の設立総会が5月21日、館山市内の南総文化ホールで開かれました。ちば合同労組からも組合員数人が参加しました。総会には約100人が参加し、規約や活動方針、役員体制が決定されました。


 代表の松苗さんは「3月ダイ改で内房線が折り返し運転になることは絶対に許せない。特急がなくなり、今度は快速もなくなる。次にどうなるかを考えたら黙っていられない」と訴えました。
 来賓には、地元千倉出身の青木愛参議院議員、上総住民の足を守る会の代表、袖ケ浦市民が望む政策研究会の代表があいさつしました。
 総会では、国・関係自治体・JRに対する要請行動や署名活動が確認されました。
 参加者からは、内房線の削減で学生が通学できなくなったり、病院や通勤が困難になったという意見が次々と出されました。
 守る会の顧問になった弁護士の廣田富男さんは「鉄道は地域住民があって成り立つ。住民の意見を無視したダイ改は大問題だ。民営化によって効率優先で鉄道の公共性が軽視されている。住民の声を鉄道事業に反映させる仕組みが必要との声も上がっている。粘り強く運動を継続していこう」と訴えました。

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年6月1日発行より

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労働学校へご参加を

ちば合同労組では組合として労働学校に集団受講しています。組合員はぜひ参加して下さい。
日時 6月17日(土)13時~

テーマ 労働法大改悪について
講師 増田 明生/ 働き方改革」とは何か、労働法制改悪との闘いに勝利する展望を示す。/ 【+職場からの闘いの報告】

実践的に考える職場と労働法/派遣法の2018年問題

実践的に考える職場と労働法

労働契約法・派遣法の18年問題

 今回は、いわゆる「2018年問題」について整理したいと思います。無期転換ルールとは、12年改定の労働契約法により「有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期契約労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換される」というものです。
 図のように13年4月1日以降の労働契約が対象となり、契約期間が1年の場合、その5年後の18年4月から無期転換申込権を持つ労働者が存在することになります。
 もっとも全員が18年4月から無期転換申込権が発生するわけではなく、例えば3年契約の場合はすでに16年4月で発生した人もいます(図)


 労働契約法18条によれば、無期転換申込権が発生した労働者から無期転換の申し込みがあった場合、使用者は申し込みを承諾したものと強制的にみなされて拒否できません。つまり申し込んだ時点で無期労働契約が成立します

2017年問題

 「18年問題」としてテレビや新聞で取り上げられていますが、実際には、企業側が「2017年中に契約更新をやめてしまおう」と雇い止めする17年から18年3月が大きな焦点となります。
 もう一つの18年問題が労働者派遣法です。派遣法が15年に改悪され、派遣会社と有期雇用契約を結ぶ派遣労働者は、同じ職場で働けるのは3年となりました。これは15年10月1日から適用され、18年9月30日が3年(抵触日)となります。
 他方、派遣法改悪で、「無期雇用派遣労働者」として派遣会社と雇用契約を結べば、3年ルールが適用されず無期派遣が可能となりました。
 大手派遣会社も軒並み導入しています。とはいえ無期雇用の場合、派遣契約が解除となって次の派遣先が決まるまでの間も派遣会社は賃金を支払わなければならず、「優秀なスタッフを囲い込むだけの制度だ」と批判されています。
 派遣労働者については話が少し複雑で、上記のように派遣受入期間の3年ルールによって派遣切りが行われる可能性がある上に、派遣法改悪前までは期間の定めのなかった26業種の派遣労働者で15年10月1日以前から継続して5年以上の雇用契約がある場合は、18年4月1日に労働契約法の5年ルールの問題が生じるので、派遣先・派遣元の双方から派遣切り・雇い止めがなされる可能性があります。
 いずれにせよ、2018年4月を前にして、無期雇用転換や派遣法の抵触日による無期雇用や直接雇用を拒んで契約を打ち切る企業が一斉に出てくる可能性が「18年問題」「17年問題」です。

限定正社員化

 法律では無期雇用転換は、契約期間のみが無期なだけで、それ以外は従前と同一の労働条件です。つまりパートや契約社員の労働条件のまま雇用期間だけ無期にするものです。政府の狙いは「限定正社員」化です。この場合、「無期」といっても従来の正社員とは違います。地域限定・職務限定であり、店舗や工場が閉鎖になったり、その業務が縮小・廃止になれば解雇できるというものです。
 結局、近年の深刻な人手不足を解消し、なおかつ低賃金のままで、しかもいつでも解雇できる〝雇用〟を創出しようとしているのです。ユニクロやスターバックスなどがこの方向でパートや契約社員の限定正社員化を進めています。
 他方で、早稲田大学や東北大学など、5年ルールの適用を免れようと5年以内の更新回数制限や雇い止めが大きな焦点になっています。
 JR東日本の子会社であるJR千葉鉄道サービス(CTS)も、契約・パートについては最長5年で雇い止めとし、選別した労働者のみを無期転換するという脱法制度の就業規則化を強行しました。これについては動労千葉の闘いによって、希望者が「65歳まで働きたい」と表明すれば全員を無期転換すると団体交渉で明言させました。

労働局の指導も

 無期転換を逃れようとして有期雇用労働者に3月末での雇い止めを通告していた一般財団法人消防試験研究センターに対し、東京労働局が是正指導し、争議は雇い止め撤回で和解したことがニュースになりました。東京労働局の指導は大きなインパクトを与えているようです。
 5月6日付の東京新聞には非正規労働者の85%が無期転換ルールを知らないと報じていました。おそらく18年4月を前に年末から来年3月にかけて焦点となることが予想されます。安倍政権の進める労働法制と雇用破壊、さらには個々の企業の雇い止めに対して、労働組合としてあらゆる戦術を駆使し、抵抗し、反撃し、闘いをつくっていく必要があります。組合員のみなさんの意見と議論をお願いしたいと思います。

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年6月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈働き方編11〉/仲間づくり(1)

連載・介護労働の現場から〈働き方編11〉

仲間づくり (1)立ち位置

▲お局さま
 介護職の離職理由の№1は、職場の人間関係である(最近は、施設の理念や運営に疑問という理由と拮抗している傾向にある)。
 働く前には、職場風土や人間関係はほとんど分からず、もう運命みたいなものだ。しかし、介護の現場には独特な特徴がある。
 まず、女性が多い。施設介護で女性の割合が75%、それも40歳以上が過半数。夜勤などきつい仕事を安い給料で、頑張っている中年女性というイメージ。
 はっきり言ってけっこう気の強い人が多い。「一回で覚えて!」「前に言ったよね!」と新人を鍛え、仕事に慣れてくると、いくらでも仕事を押しつけてくる。利用者の情報は教えず、わざと新人が失敗するように仕向けたりもする。
 オープン後経過している施設では、それが独特の施設内社会を形成し、「お局さま」(あるいは、その取り巻きグループ)という仕切り屋がマイ(アワ)ルールを押しつけてくる。ミーティングで決まったことなど平然と無視するし、施設長の忠告などどこ吹く風。最悪、こういう施設でどう働けばいいのか? 辞めちゃうほうが早いけど、あえて働き続けるなら、自分の立ち位置を決める必要がある。

▲おひとりさま
 なぜ働くか? 生活費を稼ぐだけの目的なら介護職は割に合わない。他の職種のほうが条件がいい。介護という仕事に貢献し、専門職として充実した日々を送るため。
 それが、いわばコンセプトだが、介護はチームワークなので一匹オオカミでは仕事ができない。まず、お局対策。お局さまは、頼られるのが大好き。かといって無理に媚びることはない。お局のプライドを壊さない程度に共感する。さりげなく「なるほど」と持ち上げておく。
 そして、お局だけでなく他の職員に対してもあいさつや笑顔をたやさない。仕事は100%確実にやる。できれば先輩に対してプラス10%のフォローをする。
 プライベートなことは、聞かれたことだけ控えめに答え、噂話や悪口に対しては、乗らないで、聞くだけにする。牙は隠しておく。団結の第一歩は、弱いもの同士、対立しないというのが鉄則。
 このような立ち位置は、他の職員には「ちょっと天然だけど、愛想は悪くないし、仕事ちゃんとできるから、まあいいか」と思えるかもしれない。適度な「おひとりさま」を保ちつつ次に備えるのだ。
 お局さまは、みんなで決めたことも守らないのだから、実は「裸の王様」。そのような施設内のヒエラルキーに、ほとんどの人は飽き飽きしている。利用者の情報は共有化し、仕事は平等に分担するという方向に変えていけばいいのだ。シフト制だから、お局さまがいない日は週の半分近くはある。その時にお局ルールではない方法に少しずつ変えていく。
 次回は、いよいよ仲間づくりについて。
(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年6月1日発行より

映画紹介『 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』

映画紹介

『 RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』

 地方鉄道を舞台にしたシリーズ第2弾。富山地方鉄道運転士のドラマを描く。三浦友和が演ずる主人公は、富山県の地方鉄道に勤務する実直一筋の運転士。1か月後に定年を控え、退職後は妻と海外旅行に行こうと計画していた。ところが妻(余貴美子)は、「(夫の退職後は今度は自分が)終末医療の看護師として働きたい」と話す。妻は若い頃、看護師だったのだ。退職後は夫婦でのんびり過ごそうと考えていた夫は「そんなことは認めない」と口論になり、妻は家を出て行く。
 妻の気持ちを理解できないまま退職までの残りの日々を運転手として過ごす夫。会社から頼まれ、乗り気ではないが新人の研修を担当。彼女とけんかして遅刻した新人に「運転士になる資格がない」……。家に戻ってきた妻に理解を示すつもりで「気が済むまで仕事をすれば良い。ある程度働けば気が済むだろう」。夫が自分のことを何も理解していないことを知り、妻は離婚届けを突き付ける。映画はずっと夫の目線で進み、妻の気持ちは理解できない展開になっている。
 実は、妻はがん検診で再検査となり死を意識、自分の人生がこのままで良いのか悩み、がんで亡くした母親が家に戻りたかったのに病院に入院させたまま何もしてやれなかったことを後悔していたのだ……
 思いのほか緊張感のある展開が続く。最後はある事件をきっかけに大団円に向かいます。定年を目前にした実直な運転士とその妻が人生の節目を迎え揺れ動くさまを描く。西武鉄道で活躍したレッドアロー号が物語を進める役回りですが、鉄道映画というよりお仕事ムービーです。

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年6月1日発行より

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市

自治体丸ごと民営化へ向かう柏市

現場労働者の団結を議論と闘いの基礎に

公営住宅 老朽化が著しい施設は建て替えを前提とせず、築40年以上が経過している4施設については、廃止に向けて段階的に着手します。
私立保育園の整備 必要なサービス量の確保については、私立幼稚園の整備により対応します。公立保育園(23園)のありかたについて、廃止や民間事業者への移行を含めて検討し、送料の縮減を図ります。
小学校 適正規模に満たない小規模校のうち、単学級以下の学校(小学校4校、中学校1校)を対象に、隣接校との集約化(統合)を含めた検討を進めます。
庁舎・出張所 出張所はマイナンバーの普及に伴い、自宅やコンビニで証明書を取得できることから、統廃合も視野に入れて検討します。

「柏市公共施設等総合管理計画(基本方針編)」より

 柏市は3月に「公共施設等総合管理計画(基本方針編)」を策定しました。150㌻に及ぶもので、市の庁舎や出先機関、学校をはじめ建物と道路や水道管などのインフラを部門ごとに列挙して、統廃合や民営化を示唆しています。
 職員の処遇や身分については言及していませんが、この通りに進めば、市の職員として残るのは幹部(候補)職員だけとなり、それ以外の大半の公務員は雇用の期限付きの非正規職員や民間の労働者に置き換えられることは、容易に想像がつきます。
 運営方法としては民間施設への転用・活用が前提になっており、たとえば「マイナンバーの普及による『コンビニ交付サービスの活用』により、市民課などの証明書申請・交付窓口も縮小し、施設を前提としないサービス提供方法へ変更する」と書いてあります。自治体のありかたの大転換がはらまれています。

公立保育園全廃も示唆

 今回、特に強調されているのが市営住宅と保育園と小中学校に関わることです。

公営住宅については「老朽化が著しい施設は建て替えを前提とせず、築40年以上が経過している4施設については、廃止に向けて段階的に着手」

公立保育園の今後について市として初めて言及し、「必要なサービス量の確保については私立幼稚園の整備により対応します。公立保育園23園については、廃止や民間事業者への移行を含めて検討し、総量の縮減を図ります」

・小学校については「適正規模に満たない小規模校のうち、単学級以下の学校(小学校4校、中学校1校)を対象に、隣接校との集約化(統合)を含めた適正配置の検討を優先的に行います。学校の適正規模を維持し、規模の縮減(ダウンサイジング)も検討」

 ――と記載されています。公立保育園の廃止や民営化についてはこれから具体的に対象園を絞っていくと思われます。
 公立保育園で働く労働者の多くは3年契約の「任期付き職員」です。雇い止めをさせない闘いが必要です。そもそも、日々子どもたちや保護者のことを真剣に考えて働いている職場と労働者が簡単にリセットされていいわけがありません。
 まず何が起きようとしているのかを真剣につかみ議論を開始することが必要です。労働運動・労働組合の課題であり、それぞれの職場で働く労働者が団結して闘うことが事態を転換させることを、議論と闘いの基礎にすることだと思います。

激変する自治体職場

 少し大きな視座で見ると「自分たちの子どもの時代には正社員や正職員がなくなる」現実味が増えています。仕事がきつくなって職場の団結や連帯感も薄れ、アクシデントや失敗は「個人の責任」にされ、「告げ口」「足の引っ張り合い」も増えかねません。
 でも、この悪循環は労働者の団結で断ち切れると思います。まず現場で起きていることを一緒に議論し、団結を固めて職場を変えていく展望をつくっていく。労働組合にはその力があるはずです。まずは、そのことにエネルギーを注ぎたいと思います。
 例えば、この10~15年で公的介護の現場は劇的に変化しました。2000年に介護保険制度ができる前は、従事する労働者は公務員かそれに準ずる待遇を受けていました。それが介護保険によって民間参入と競争原理が持ち込まれ、いまや介護職場は最低賃金スレスレの低賃金や人員不足、長時間労働などが深刻化しています。離職率の高さがそれを物語っています。
 1987年に中曽根政権が労働組合つぶしと利権を目的に強行した「国鉄分割・民営化」から今年で30年を迎えていますが、JR各社も「選択と集中」でローカル線の廃止(北海道は路線の半分が維持困難)や、運転士や駅員を含めた外注化と非正規雇用化が焦点になっています。国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は、十数年間、鉄道業務の外注化と闘って食い止めています。(投稿/次回へ続く/柏市公共施設等総合管理計画全文は柏市ホームページより閲覧可能)

ちば合同労組ニュース 第81号 2017年6月1日発行より

宮本市長に批判の声 高まる/習志野市障がい者解雇撤回裁判

宮本市長に批判の声 高まる

習志野市障がい者解雇撤回裁判

 習志野市の宮本市長が「障がい者枠で採用した」Aさんを「能力不足」と決めつけて解雇してから1年が経ちました。4月7日の第3回口頭弁論も70の傍聴席がすべて埋まり、社会的にも大きな注目が集まっています。
 裁判の進行とともに市が隠していた事実が明らかになっています。障がい者の「健康度」も評価対象にして「あまり健康ではない」と評価し、能力不足としていたことに驚きの声があがっています。
 宮本市長は、Aさんを「能力不足」で解雇したのは、「勤務実績報告書で60点に達しなかったから」と言いました。しかし「60点解雇基準」にはなんの法的根拠もないことが裁判で明らかになりました。
 4月7日の裁判で弁護士が「60点という基準に法的根拠はあるのか?」と問いただすと、市の弁護士は「成文化されたものはない。だが基準である」と繰り返すのみ。
 習志野市に就職して条件付き採用期間(試用期間)で解雇されたのはAさんが初めてなのです。今まで「60点に達しなかったから解雇」された例などありません。ただAさんを解雇するために勝手に持ち出した職員の誰も知らない「基準」だったのです。
 成分化されていなかった重大事実は各紙で報道されました。次回裁判は6月13日13時30分、千葉地裁601号法廷です。ぜひご参加を。

ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

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労働学校へご参加を

 ちば合同労組では組合として労働学校に集団受講しています。組合員はぜひ参加して下さい。

テーマ 『共産党宣言』を読む

日時 5月20日(土)13時~
講師 白井徹哉(ちば合同労組書記長)

 労働組合の学習文献の定番である『共産党宣言』。はじめての人を対象に朗読から行います。
 【+職場からの闘いの報告】
ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

職場からの声でサービス残業なしに

職場からの声でサービス残業なしに

 今の職場に入って一年が経ちました。職場の仲間と雑談ができるようになりました。
 そこでの話。同僚が参加した研修会の場でサービス残業をなくそうという話になり、同席していた課長がなくすことを確約したそうです。
 労働組合を通してではありませんが、労働者の怒りを直接ぶつけた結果です。
 これには職場の労働組合が当局と団体交渉を行って時給50円のアップをかち取ったことが大きいと思います。
 組合にできたのだから、私たちも要求しようということになったのだと思います。別の職場では賃上げは組合のおかげと公然と話がされているそうです。
 今年はロシア革命から百年です。課長がガボン(秘密警察のスパイだったガポン神父の主導で労働者の闘いがロシア皇帝への請願行動にねじまげられたが、結果的には「血の日曜日事件」に至った。のちのロシア革命の原動力となった)みたいにならないように祈ります。
 私の職場、いよいよ面白くなって来ました。職場からの闘いをつくりだていきたいと思います。(M)

ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

実践的に考える職場と労働法 健康診断の実施

実践的に考える職場と労働法

事業者による健康診断の実施

職場環境改善の措置を講じさせる

 労働者の健康管理のための重要な手段として健康診断があります。健康診断は個々の労働者の健康状態を把握するために必要なだけでなく、労働者の健康状態から作業環境管理や作業管理の問題点を発見し、改善を図るためにも必要です。
 労働安全衛生法は事業者に各種の健康診断の実施を義務づけています。
①雇入れ時健康診断
②定期健康診断
③特定業務従事者の健康診断
④海外派遣労働者の健康診断
⑤給食従業員の検便
 ①雇入れ時健康診断は、常時使用する労働者を雇い入れる時に事業主に実施が義務づけられています。ちなみに「採用選考時の健康診断」ではありません。雇入れ時健診は、労働者を雇い入れた際における適正配置や入職後の健康管理のためであって、応募者の採否を決定するために実施されるものではありません。
 ②定期健康診断の対象は常時使用する労働者となっています。パートなど短時間労働者も1年以上働く見通しで所定労働時間の4分の3以上であれは一般検診が必要です。
 所定時間の2分の1以上働く労働者については実施が望ましいとの通達もあります。
 定期検診は、1年以内ごとに1回、定期に一定の項目について医師による健康診断を行うものです。有毒ガスや粉じんなどを発する場所での業務、月4回以上の夜勤に従事する労働者については特定業務従事者として6か月に1回の定期検診が義務づけられています。

特殊健康診断

 一定の有害業務に従事する労働者については、一般検診に加えて特殊健康診断の実施が義務づけられています。
 放射線業務などの有害業務に従事する労働者は、雇入れ時、配置換えの際、一定期間以内ごとに、定期に、それぞれの業務に定められた特別の項目について医師による健康診断が必要です。鉛中毒とか石綿による肺がんなどターゲットを定めた診断です。
 有害業務に起因する疾病は、発症までの潜伏期間が長いものあるので、このような業務に従事した労働者は、従事しなくなった後においても疾病の早期発見を図る必要があるので、事業者に対して有害業務から他の業務への配置換えの後も定期的に特定の項目について健康診断を義務づけています。
 さらに退職や倒産による労働者の離職後は、健康管理手帳によって、政府の費用によって定期に健康診断を行う仕組みになっています。

必要措置の実施

 労働安全衛生法は、健康診断の実施を事業者に義務づけており、労働者にも受診義務を規定しています。もっとも労働者にも医師選択の自由があるので、事業者が指定した医師による健康診断を希望しない場合は、他の医師による診断結果を事業者に提出しても良いことになっています。
 また深夜業に従事する労働者については、健康に不安を感じ、次の健康診断を待てない場合には自ら健診を受診して、その結果を事業に提出できるとする規定があります。事業者は、診断の結果に基づいて医師等からの意見聴取などの措置が必要となります。
 健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者については、事業者は、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師・歯科医師の意見を聴かねばならず、その意見を勘案し、当該労働者の就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置、作業環境測定の実施などの措置を講じなければなりません。
 事業者は、健康診断を受けた労働者に対して、その結果の通知が義務づけられています。特に健康の保持に努める必要があると認める労働者には、医師または保健師による保健指導を行うように努めなければなりません。
 定期健診については、健康診断結果報告書を労働基準監督署に提出しなけれなりません。常時50人以上の労働者を使用する事業者、特殊検診に係る事業者には提出が義務づけられています。報告書には産業医の署名または記名押印が必要です。

費用は会社負担

 健康診断の費用については、法で事業者に実施の義務を課す以上、当然、事業者が負担すべきものです。
 検診に要した時間についての賃金の支払いは、当然必要だと思いますが、通達では一般検診は一般的な健康の確保のためであり業務遂行との関連において行われるものではないので、事業主の負担が望ましいとされています。
 特殊検診は、事業の遂行にからんで実施されなければならず、当然、所定労働時間内に行われるのが原則であり、時間外に行われた場合には割増賃金も必要です。
ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

連載・介護労働の現場から〈働き方編10〉

連載・介護労働の現場から〈働き方編10〉

介護は専門職

*偏見と蔑視に満ちた仕事

 介護は、以前は家族の役割であった。子どもを育て、お年寄りの世話をするのは、家族の無償労働であり、主に女が担ってきた。
 2000年から介護は措置ではなく、保険制度による国との「契約」となり、介護という仕事も、労働者としての対価が与えられなければならなかった。
 しかし、訪問介護にしろ、施設介護にしろ、女なら誰でもできる仕事としていまだに過小評価され、買いたたかれている。誰に?
 経営者に、利用者に、その家族に、そして何よりも国から買いたたかれている。
 やってみればわかるが、介護という職業は単にお世話をすることではない。食事、排泄、入浴などを安心、安全に介助する肉体労働、高齢者一人ひとりの身体状況や精神状態に関する多分野の知識と、洞察力や判断力、想像性、推進力……それらをフル動員する頭脳労働。そして、自分の感情をコントロールし、気遣い、心遣いをする感情労働。相手の立場で共感する能力、家事の知識も必要だ。その上で、偉そうな素振りはなく、親しみやすさがにじみ出ているキャラが身についている。

*PDCA

 まったくもって人間力が必要なクリエイティブな仕事で、それが介護というケア労働の醍醐味。偏見・蔑視と低賃金、過重労働のなかで、介護労働者を支えているのは、仕事に対する専門職としての誇りだ。
 今の介護労働の現場は、人権無視は日常茶飯事で、普通に働いていたら辞めて当然の職種だ。
 介護の仕事が好きになり、介護職を続けたければ、専門職として研鑽を積むしかない。職場の内部、外部研修がない場合、自腹で外部研修に参加するか、ネットや書籍で学ぶことになる。
 そんなにまでして知識を蓄えるのは、不確かな知識では家族や医務やケアマネを説得できない、つまり高齢者を支えることができないからだ。待遇改善を要求するにも、バックボーンは専門職としての矜持だ。
 介護職は専門職。専門職としての誇りをもって働こう。管理経営の素人の輩からの押し付けには怯むことはない。どんどん現場で企画し、実行し、改善し、突き進もう。ケアマネや医務を巻き込めば、管理職は「勝手にやるな」とは言いにくい。
 クレームには「PDCA(Plan Do Check Action)やってんだから」と言い返せばいい。管理職は横文字や生産管理用語には弱い。管理職を煙に巻いてるスキに、ケアのやり方から働き方まで労働者で変革していく。

*「たかが…」からの離脱

 かつて公共部門の民営化で多くの現業部門、たとえば保育士、栄養士、司書…そのほかの技能職が非正規化されたときに、「たかが子守り」「たかが給食のおばさん」「たかが本貸し」などと専門職を蔑み、行革を推進したことを忘れない。「たかが…」なんて言わせない。専門職の誇りをもって働こう。(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

映画紹介 『大臣と影の男』

映画紹介『大臣と影の男』
 フランス国鉄の民営化をめぐる運輸大臣の苦悩を描いた映画。日本では劇場非公開。権力闘争の中で渦巻く人間模様を描く。少々地味で難解な雰囲気の映画。でも印象が残る映画でした。日本でも同じような映画があれば面白い。
 深夜、バス転落事故で多数の犠牲者が出たとの報告を受け、ヘリで現場に向かう運輸大臣ベルトラン。緊急事態に迅速に対応する大臣の日常の一コマが描かれる。派閥に属さず政界で孤立するベルトランを、秘書官のジルや報道官ら有能な側近チームが支える。
 事故を報じるニュース番組に出演し、その場で国鉄の民営化に関して質問されたベルトランは「民営化はしない」と断言した。ところが他のテレビ局に出演していた財務大臣は民営化を表明。財務省は、民営化を拒むベルトランの切り崩しにかかる。国鉄の赤字キャンペーンが功を奏し世論も過半が民営化に賛成に。
 大統領の信任を得ていたベルトランだったが、大統領も民営化に舵を切る。気づけばまわりは民営化推進の布陣に。このままでは大臣を辞職するしかない。結局、民営化の旗振り役に祭り上げられるベルトラン。それも束の間、大統領に雇用連帯省(日本の厚生労働省)への異動を告げられる。民営化の指揮を執らないで済み、大臣の椅子も守った。だが最も信頼する側近であり親友であった秘書官ジルを失う……
 秘書官が政策を考え、ライターが演説原稿を考える。大臣は演じるだけ。携帯電話の4千件の電話帳に友人は一人もいない。陳腐で孤独な運輸大臣役のオリヴィエ・グルメの演技はなかなか良かった。

ちば合同労組ニュース 第75号 2017年05月1日発行より

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