介護労働の現場から〈17〉介護とジェンダー

介護労働の現場から〈17〉
2014年09月01日
介護とジェンダー

介護職はその8割近くが女性だ。生計を維持できない低賃金だから女向け? また、介護される側は男性より女性を圧倒的に希望しているからという理由もある。

しかし、私は介護という仕事にジェンダーに基づく偏見を強く感じる。男性介護士には言わないが女性には平気な物言いの数々。
便落としを拭いていると「あんた、エタ(被差別部落民)の女やったんか…」。入浴中「おーい、ソープのおねぇちゃんは~」。
塩分控えめの薄味には「これは味がついてないよ。女ならちゃんとメシつくれよ」。
大正~昭和初期生まれの高齢者がエロく封建的というだけでない。介護する者が身分が低く(つまり女)バカだと思うことによって、無意識に介護される側の羞恥や負担を取り除こうとしているのだが、差別を受けるほうはたまらない。無視していても腹が立つ。

介護が外部化されたのは50年代、戦後復興の只中であった。養老院が圧倒的に不足し、地方自治体レベルで、生活保護の男性単身世帯(傷痍軍人など)に戦争未亡人による「家庭奉仕員」を派遣する一石二鳥の窮民政策。燃料のマキもなく、その生活支援労働は過酷を極めた。報酬は当時の平均賃金の約半分で、政府は60年には国庫補助事業としたが、景気がよくなるにつけ就労する女性が減り、頓挫。63年に国レベルで老人福祉法ができ、介護はまがりなりにも「福祉」の地位を獲得する。
その後約半世紀たち、介護保険制度ができ、介護はまがりなりにも「社会化」されたが、介護職はいまだに専門職として社会的、経済的承認も得ていない。看護師と違って、主婦なら誰でもできる家事労働だから無償でもいい…まさしく、現場では時代遅れのジェンダー規範が支配している。

さて、井村さんだが、自分ががんで余命3か月と知っていた。しかし、その整理のつかない気持ちを周囲にわがままを言ってぶつける。食事、おむつ介助、着替え、入浴拒否。眠っていない時は、医者や家族の悪口を一人でしゃべり続ける。スタッフは「女王様」と呼び、敬遠していたので、私が担当することにした。
とにかく彼女が精神的に落ち着いてくれなくては身体介護はおぼつかない。とりあえず彼女の話を聞く。資格講習の授業では「配慮と気遣い」「何を言われても顔はいつも笑顔」というジェンダーバイアスのかかった低度の感情労働を教わった。そんなことしてもバレバレで却って信用されなくなってしまう。利用者には召使になってはだめだと思った。井村さんの感情に巻き込まれないようにして悲しみや苦悩を聴く、それだけだ。
それで1週間たったある日、私が「苦労したんだねぇ」と言うと、「そうでもないよ」と井村さんが答えた。ドアが開かれたような気がした。こだわらない、満足する、というのは余生を幸せにする。井村さんから「おいしい」「めんどうかけるね」という言葉が出るようになった。
(あらかん)
(ちば合同労組ニュース51号から)

介護労働の現場から〈16〉ホスピスの召使い

介護労働の現場から〈16〉
2014年09月01日

ホスピスの召使い

トイレを使えるようになった宇田川さんは入居して1か月を過ぎて自宅に戻った。宇田川さんの暴力や暴言で何人もの利用者が来なくなったので責任者がやむなく継続使用を断ったからだ。宇田川さんは夫が迎えにくると「家に帰るんや」と大喜び、私は今後の夫との生活を思うと手放しで喜べない気持ちだったが正直ほっとした。
そのあと、稼働率を回復するために、介護度の高い人が2名入所した。そのうち井村さんは、余命3か月のすい臓がん。病院は回復が見込めない患者は退院させる。病院は治療施設であって、療養施設でないというのがその理由だが、ようするに儲からないのだ。介護保険制度ができて、老人病院も廃止された。
末期がんは痛みが伴うし、食事や精神面でも、細心のケアと医療知識が必要だ。到底、こんな難民キャンプの折り畳みベッドで過ごせる容態ではない。第一、個室がないのだ。みんながテレビを見たりしているリビングの片隅をスクリーンで区切り、寝てもらう。
入居時に付き添ってきた井村さんの二人の子どもは「仕事があるんで、こんな重病人をみる時間がないんです」。そして「食べるものにもうるさくて、すぐ痛いというし、いろいろわがままで、手におえないんですよ」。
傍らで聞いていたという和田さんが、「そんな人、引き受けてもいいのかねぇ」と私に言う。訪問医療もなければ提携医療機関もない。責任者は「なにかあったら救急車」が口癖だ。紹介したケアマネジャーは、「痛みはモルヒネ系の薬で対応。入浴できないので清拭で。食事はおかゆでもいいよ」
対応を間違えれば、命に関わる行為を、介護経験数か月、医療面ではまったくの素人の和田さんと私が、ほかの利用者をみながら、ターミナルケアをやる。
井村さんは、明るくてハキハキしている性格。大柄で声も大きく、末期がんなんて信じられない。しかし、わがままというのは当たっていた。食事の好き嫌い。薬も「いらない。どうせ死ぬんだから」「痛~い」「暑い」「寒い」「眠れない」・・・。訴えるばかりで、ケアする人間の言うことなんかまるで聞かない。こういう状況での介護のつらさ。逃げ出したくなる。和田さんは一日に何度も「辞めようかな」。
ケアマネが「移動は車いす可能、排せつの立位」と言っていたが、本人は「もう死ぬから動きたくない。世話して。それが仕事でしょ」と、ベッドの上の介助でも自分で体を動かそうとしない。おむつ替えでもちょっと自分の腰を浮かせてくれるだけで、介護者の腰の負担が軽くなるのに。
介護をする人間を奴隷のように思っている利用者は多い。「そこの女中」とか「お手伝いさん」と呼ぶひともいる。何をいわれても、認知症利用者の愛情表現? そんなこと到底思えない。傷つき、どうやって自分のメンタルを維持したらいいのか途方に暮れる。井村さん、私は召使いではないのだよ。
(あらかん)
(ちば合同労組ニュース50号から)

安倍打倒! 10・5 ちば労働者集会への参加のお願い

千葉合同労組の仲間の皆さん、支援の皆さん。今秋に「安倍打倒」の集会を行います。

下記に呼びかけの「参加のお願い」をテキストで掲載しました。PDF版とチラシ(PDF)も合わせて掲載しました。回りの仲間と青年、労働者、市民にアピールしてください。

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 職場で殺されてたまるか!  戦争で殺されてたまるか! 闘いなくして安全なし! 安倍打倒!
10・5ちば労働者集会への参加のお願い

参加のお願い

7月1日、安倍政権はウソとペテンの恫喝をもって、集団的自衛権行使の閣議決定を強行し、改憲と戦争への道を進みだしました。「戦争をする国」への転換は、これまでの社会のあり方の全面的破壊と直結します。労働者の権利、集会・結社の自由、表現・通信の自由、そして教育の在り方を含めあらゆるシステムが攻撃にさらされようとしています。
すでにその兆候が顕著に現れています。全国の高校3年生の自宅に自衛隊の採用説明会の案内が舞い込んでおり、柏市では市庁舎に「自衛官募集中」の大きな垂れ幕が掲げられています。また、防衛省が民間フェリーを輸送船に仕立て、民間船員を予備自衛官として徴用することを検討しているという衝撃的ニュースが暴露されました。そして文科省の「学生への経済的支援のあり方に関する検討会」では、奨学金延滞者につき、“防衛省は2年コースのインターンシツプを作ると言っている。延滞者の年齢別人数を教えよ”などということがまことしやかに話し合われています。

この許しがたい暴挙に対し、巷には怒りの声が満ち溢れています。とりわけ20~30代の青年労働者の70%が集団的自衛権行使に反対の意思を表明し、安倍政権打倒! のシュプレヒコールを上げています。
国鉄分割・民営化攻撃における国家的不当労働行為と27年間に渡り闘いぬいている国鉄闘争を結集軸として、今こそ職場に労働組合をよみがえらせて行きましょう。国鉄闘争こそが、「労働運動を解体し、憲法を変え、戦争に向かう」ことを公言した中曽根の「戦後政治の総決算」(1985年)攻撃を30年間に渡り阻止してきた力です。
この闘いは今、JR採用基準自体が不当労働行為であったことを東京地裁・高裁に明確に認めさせるところまで前進し、最高裁で正念場の攻防が続いています。

安倍政権によって、総非正規職化、解雇自由、労働時間規制解体など、労働者の権利を打ち砕く最後の扉が聞かれようとしています。非正規職に突き落とされた2千万の労働者たちが「生きさせろ」と叫んでいます。
動労千葉は、国鉄分割・民営化とその後の業務外注化攻撃に立ち向かい、JR本体(外注元)と下請け企業(外注先)に働く労働者をひとつに組織する新たな闘いを開始しました。外注化の強行は退職者の切り捨てとセットの攻撃であり、安全の崩壊と業務そのものの解体を不可避とします。「外注先の仲間たちを犠牲にするな!」を掲げた5月2日のストライキは、この攻撃に立ち向かう鮮明な展望を切り開いています。
「ふざけるんじゃない!」、5月29日(ニクの日)、全国の「すき屋」で働く労働者の怒りを全身に背負って、ちば合同労組委員長がストライキに突入しました。この「たった一人のストライキ」は、低賃金と安全無視の重労働に呻吟する労働者からの圧倒的な注目・支持で迎えられ、あの極悪ゼンショー資本を震え上がらせています。

資本との原則的な対抗軸として労働組合が職場に確固たる存在をとり一民し、反原発闘争、反戦・反基地闘争、農民運動、市民運動、あらゆる運動と肩を並べその底流を支える力を取り戻さねばなりません。ここに着手する「空前絶後」のチャンスが訪れました。“今をおいて他にない”と言っても過言ではありません。

「解雇撤回・JR復帰」を求める最高裁向け10万筆署名(8月28日現在65133筆)を達成し、反動の牙城・最高裁をギリギリと締め上げて行きましょう。破綻を極めた国鉄分割・民営化に断を下し、民営化・外注化・非正規職化に抗する闘う労働運動を千葉の地によみがえらせて行きましょう。

動労千葉とちば合同労組は以下の要領で「10日・5ちば労働者集会」を開催します。多くの仲間のみなさんの結集を心から訴えます。
2014年8月22日
国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)
千葉市中央区要町2-8 DC会館3F (043)222-7207

ちば合同労働組合
千葉市中央区要町2-8 DC会館1F (043)225-2207

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◎ 名称 職場で殺されてたまるか! 戦争で殺されてたまるか! 闘いなくして安全なし! 安倍打倒! 10・5ちば労働者集会

◎ 日時 10月5日(日) 13時~

◎ 場所 千葉市美術館講堂(千葉市中央区中央3-10-8) JR千葉駅東口より徒歩15分

 

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fly20141005a    アピールビラPDF

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ちば合同労働組合第8回定期大会のご案内

組合員各位
関係者各位

ちば合同労働組合第8回定期大会のご案内

2014年7月28日
ちば合同労働組合 執行委員長 諸町三夫

DC会館において9月14日に開催する第8回定期大会への参加を訴えます。ちば合同労働組合と共に闘うすべてのみなさんの参加も訴えます。
安倍内閣は7月1日、集団的自衛権の解釈を変更する閣議決定を行いました。「我が国と密接な関係のある国」が戦争に入ったら出かけていって参加するという戦争宣言です。
第8回定期大会は、こうした戦争宣言のもとで労働組合の存在意義を問う大会となります。戦争と排外主義、愛国主義、民族差別に屈することは、労働組合にとって労働者階級を裏切るものです。
労働者に国境はありません。労働者は国境を越え、同じ労働者として一つにまとまることで労働者の生活・権利を守ることができるのです。労働者の生活と権利を守るために戦争に参加するという考え方は、労働者同士を殺し合わせる最悪の偽善です。私たちは絶対反対です。
ちば合同労働組合は今年5月29日の「肉の日」、すき家ストライキを決行しました。すき家の過酷な労働に対する非正規労働者の怒りはストライキを求める段階に入り、これに対する労働者としての態度が労働組合に問われていました。この非正規労働者の運動に、私たちはギリギリのところで合流することができました。
ちば合同労働組合は、この闘いを契機にして職場の闘いと労働者の団結をさらにいっそう位置づけて闘う方向性を確立しました。モリタ分会に続く分会の結成もかちとり、さらに新たな分会結成の動きも進んでいます。
労働者には、職場で闘う力があります。どんな問題も職場の仲間の団結で解決できないことはない。労働相談に来た仲間も職場で労働組合(分会)をつくって問題を解決しよう。
定期大会でとことん話し合いましょう!

日時 2014年9月14日(日)午後1時

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組合ニュースNo.49(2014/08/01)より

労働者の安全なくして〝食の安全〟は守れない

すき家で働くすべてのみなさん。
日本の外食産業にまた衝撃が走りました。中国上海の食肉加工工場で日本の外食産業向けの材料に、使用期限切れの食肉が使われていたというのです。外食産業における「食の安全」がいま根底から揺らいでいます。
外食産業における食肉加工の外注(アウトソーシング)は、国鉄の分割・民営化がJR北海道の安全の崩壊をもたらしたのと同様に、「食の安全」を危機に追いやっているのです。
すき家はどうでしょうか? すき家では前から「食の安全を守る」ために牛丼材料の自社生産を行ってきました。現在ではGFFという子会社がゼンショーHDのもとで生産を担当しています。
GFFの工場で生産を担っているのはパートを主体とした非正規労働者です。低賃金で正規労働者なみの長時間労働をやっています。
こうした現状で「食の安全」が守られているのが不思議なくらいです。現場労働者の努力のたまものとしか言いようがありません。安心して働けるように非正規雇用をやめて全員を正社員とすべきです。
安全を犠牲にした強労働
利益を得るために法を犯す、あるいはギリギリまで守らないのがブラック企業です。ストライキの過程ですき家がブラック企業であることがよりハッキリしました。ちば合同労組の団体交渉の要求にのらりくらりとして応じない態度は、ブラック企業ならではものです。
ゼンショー・GFFが工場でやっているのも同じようなものです。
船橋工場では、以前はそれぞれ1人の労働者が従事していたポジション2つを1人で兼任させる合理化を行いました。強労働も問題ですが、何よりポジション兼務のため作業場内を走らなければならず大きな危険を伴います。
合理化のためなら安全は二の次というのでしょうか? 儲けのためなら強盗が頻繁に入っても深夜の店舗でワンオペを強制するのと一緒ではないのですか。
労働者と食の安全のためには、必要な人件費は惜しむべきではありません。
ブラック企業の汚名を払拭するためにも、ゼンショー・すき家は、安全を第一とし、そして働く者を尊重する考え方に改めるべきです。
非正規雇用と外注化(アウトソーシング)の問題が安全を脅かしています。安全で人間らしく働ける職場環境を実現するために労働組合に加入して一緒にアクションを起こしましょう。

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組合ニュースNo.48(2014/07/02)より

組合ニュースNo.48(2014/07/02)より

すき家スト後 早朝ビラ実施中!

5月29日のすき家ストライキ以後、船橋工場の最寄り駅で毎週の早朝ビラ配りを実施しています。朝早くで大変ですが、食品コンビナートに出勤する労働者にあいさつしながらビラを配っています。
すき家ストは、働く者の声が実際に社会を動かすことを示しました。ブラック企業で知られるワタミは、社員に配布している「理念集」にある「365日24時間死ぬまで働け」という表現を改め、従業員数を増やしました。
ちば合同労組は、食品コンピナート各工場に企業の壁を越えた労働者の団結と組織をつくろうと訴えています。組合員のみなさん、ぜひご参加を!

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(紹介)すき家チラシ
誰でも入れる組合を

千葉県内のすき家で働くみなさん。食品コンビナートで働くみなさん。
すき家ストライキは、働く者の声が実際に社会を動かすことを示しました。直後、ブラック企業で知られるワタミは、社員に配布している「理念集」にある「365日24時間死ぬまで働け」という表現を改め、従業員数を増やしました。同じくユニクロも、アルバイト・パート従業員を地域正社員として採用し、人件費を1・2倍にするとのことです。
こうした措置には問題があることも事実です。しかし、労働条件の改善に着手せざるをえない状況に追い込んだこともまた事実です。
誰でも入れる労働組合を
ちば合同労組は「誰でも入れる地域の労働組合」を目指しています。いま労働者をめぐる状況は厳しく、競争関係に陥っています。だからこそ「労働者の居場所」「労働者の絆」「労働者のコミュニティー」として労働組合を復権させたいのです。
百年以上前の話ですが、イギリスで誰でも入れる労働組合(一般労働組合)が生まれるまで、当時の労働組合の加入資格は熟練工に限られ、大半の労働者は労働組合の枠外に放置されていました。
その典型が港湾労働者でした。百人の応募者の中からその日に仕事をさせる10人をピックアップ。どうやって選ぶのか。ケンカで勝ち残った10人を採用するのです。これは本当の話です。
これに対して「このままでいいのか」「誰でも入れる労働組合を」を合言葉に大規模なストライキが決行され、あらゆる産業の労働者に門戸を開いた労働組合が誕生したのです。
港湾労働者やトラック労働者、化学産業やサービス産業、商店やレストラン……あらゆる産業・職場に組合員がいる組合です。ブティックで解雇があれば、作業着を着たおじさんたちがおしゃれな店に抗議に押しかけ、仰天した店主に解雇を撤回させるのです。
ちば合同労組は、誰でも入れる地域の労働組合です。労働組合は、労働条件の維持改善のためにつくられた、労働者による、労働者のための、労働者の自主的な団体です。一緒に職場に労働組合をつくりましょう。(14年6月23日発行)
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誰でも入れる組合を(労組ニュースNo.48より)

(紹介 すき屋で働く仲間へのチラシ)(ちば合同労組ニュースNo.48P3より)

〝誰でも入れる組合を〟

ちば合同労働組合 誰でも加入できる地域の労働組合

労働組合に加入し職場に組合をつくろう

千葉県内のすき家で働くみなさん。食品コンビナートで働くみなさん。
すき家ストライキは、働く者の声が実際に社会を動かすことを示しました。直後、ブラック企業で知られるワタミは、社員に配布している「理念集」にある「365日24時間死ぬまで働け」という表現を改め、従業員数を増やしました。同じくユニクロも、アルバイト・パート従業員を地域正社員として採用し、人件費を1・2倍にするとのことです。
こうした措置には問題があることも事実です。しかし、労働条件の改善に着手せざるをえない状況に追い込んだこともまた事実です。

 〝誰でも入れる労働組合を!〟

ちば合同労組は「誰でも 入れる地域の労働組合」を目指しています。いま労働者をめぐる状況は厳しく、競争関係に陥っています。だからこそ「労働者の居場所」「労働者の絆」「労働者のコミュニティー」として労働組合を復権させたいのです。
百年以上前の話ですが、イギリスで誰でも入れる労働組合(一般労働組合)が生まれるまで、当時の労働組合の加入資格は熟練工に限られ、大半の労働者は労働組合の枠外に放置されていました。
その典型が港湾労働者でした。百人の応募者の中からその日に仕事をさせる10人をピックアップ。どうやって選ぶのか。ケンカで勝ち残った10人を採用するのです。これは本当の話です。
これに対して「このままでいいのか」「誰でも入れる労働組合を」を合言葉に大規模なストライキ が決行され、あらゆる産業の労働者に門戸を開いた労働組合が誕生したのです。
港湾労働者やトラック労働者、化学産業やサービス産業、商店やレストラン……あらゆる産業・職場に組合員がいる組合です。ブティックで解雇があれば、作業着を着たおじさんたちがおしゃれな店に抗議に押しかけ、仰天した店主に解雇を撤回させるのです。
ちば合同労組は、誰でも入れる地域の労働組合です。労働組合は、労働条件の維持改善のためにつくられた、労働者による、労働者のための、労働者の自主的な団体です。一緒に職場に労働組合をつくりましょう。(14年6月23日発行)

Dear colleagues working hard in “Sukiya” and the food complex of Chiba prefecture!

すき家チラシ英語版‏
千葉県内のすき家で働くみなさん。食品コンビナートで働くみなさん。
Dear colleagues working hard in “Sukiya” and the food complex of Chiba prefecture!

5月29日のすき家ストライキを応援してくれた多くのみなさんに心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
We, Chiba Amalgamated General Union, express our wholehearted thanks for your support to the strike on May 29 in GFF-Funabashi (Global Food Factories), supplier of ingredients to many Sukiya houses. Note: Both GFF and Sukiya are subsidiaries of “Zensho” Holdings.

すき家ストライキは大きな反響を呼びました。組合事務所には取材や問い合わせが殺到しました。新聞や雑誌などにたくさん取り上げられました。
The response to our strike was enormous. Our union office was flooded with inquiries and interviews. Many newspapers and magazines reported about us

すき家で働く者の労働条件改善を求めて、日本中で大勢の労働者が休暇や欠勤、早退などのさまざまな形態でストライキに参加しました。議論はいろいろありましたが働く者の声が社会を動かしたことは間違いありません。
On May 29, a large number of colleagues working in Sukiya all over Japan stood up for walkouts in a variety of ways: taking leaves, absence and early leaving etc. Our strike triggered various arguments. We are convinced that angry voice of working people has surely shaken the whole society.

ここまで社会問題化してもなお、すき家(ゼンショー)は「ストで閉鎖になった店舗は1店もない」と言って労働者の怒りの声をことさら小さく描き、ワンオペ(1人勤務)などの過酷な労働条件を開き直っています。会社とユニオンショップ協定を結ぶゼンショー従業員組合会(ZEAN)も働く者の環境がここまで悪化するまで放置してきた責任を棚上げしてストを批判しています。
Ignoring the fact that the issue has been evidently recognized as a serious social problem, Sukiya and Zensho dare to undermine strong anger of working people. Insisting that they had got no information of closure of eatery due to walkouts, they defiantly declare their policy of maintaining rigorous working conditions such as “late-night shift of one person”.
ZEAN (Zensho Employees Association Network), the biggest union in Zensho, which seals union-shop contracts with Zensho, is criticizing our strike, while it refuses to take responsibility for letting these poor working conditions unsolved.

すき家と従業員組合は働く者の声と真摯に向き合うべきです。「店長が常駐しない」「ワンオペの負担増」「サービス残業が常態化」「スタッフ間の意思疎通が図りにくい」「働くモチべーションの維持が難しい」……。時給1500円は世界の労働者の標準要求です。8時間労働制と同じように世界の標準(最低)賃金にすべきです。
Sukiya and ZEAN should immediately listen to the voice of working people seriously. They are insisting: “Manager is not nominated”, “One person operation is too straining”, “Staff members feel difficulties in communication”, “Terrible working conditions hinder motivation” etc.
Hourly rate of 1,500 yen (15 $) is a minimum standard demand of workers all over the world. In line with eight-hour workday, it should be strictly maintained as minimum wage standard.

団体交渉の早期実現へ We demand collective bargaining as early as possible!

ちば合同労組は、一刻も早くすき家との団体交渉を実現し、ワンオペ(一人勤務)の廃止や大幅賃上げ、工場における2ケ月単位の不安定な雇用形態などを改善するために全力を尽くします。団体交渉は開催日時や場所の折衝に入っています。
We, Chiba Amalgamated General Union, will make our utmost effort to hold collective bargaining with Sukiya and/or Zensho as early as possible, and endeavor to abolish “one person operation” system, realize big wage hike and improve the employment system which is practiced now as unstable 2-month limited term.
Now we are going into negotiation for a time and venue of collective bargaining.

食品コンビナートで働く労働者のみなさん。
ちば合同労組は、あらゆる職場に労働組合をつくることができる地域の労働組合です。労働組合は、労働条件の維持改善のためにつくられた、労働者による、労働者のための、労働者の自主的な団体です。一緒に職場に労働組合をつくりましょう。
Dear colleagues working in the food complex!
We, Chiba Amalgamated General Union, are a regional labor union operating to organize labor unions in any and every workplaces.
Labor union is workers’ autonomous organization to maintain and improve working conditions by and for workers. Let’s organize labor unions in your respective workplaces!

2014年7月7日 ちば合同労働組合
7 July, 2014 Chiba Amalgamated General Union
Phone:  043-225-2207 E-mail:  chiba_goudou@yahoo.co.jp

介護労働の現場から〈15-2〉自立できる②

介護労働の現場から〈15-2〉
2014年7月31日

自立できる②

Aさんは入所した日、トイレに案内したらスタッフを突き飛ばして逃げ、それ以来トイレに近づかない。自立しているのに排せつはリハビリパンツとパット対応だ。その交換にも抵抗が強く、Aさんの排せつは大課題になっていた。
私はいきなりトイレに入らず、雑巾を持って手前の廊下拭きをAさんとやった。「花が咲いてるよ」「AさんのTシャツも花が咲いてるね」。認知症の人は聞こえているが返事はしないからスタッフは独り言のように言う。しかし、スタッフが自分に関心を持ってくれて話しかけてくれていることは確実に認識されている。いわば、心の会話なのだ。
トイレの前に来た。〈トイレ〉の札はあらかじめ外してある。「このドアも拭いてみようか?Aさん拭けるかな」。Aさんは負けず嫌い。長女で、自分の進学をあきらめて働き、弟妹たちを進学させることに情熱をそそいでいたことが今の彼女の尊厳を支えている。子どもたちも揃って国立大学に進学させた教育ママなのだ。「…しましょうか」と遠回しの命令をされるのが嫌い。「……できるかな?」と言うと、気が向かなくてもやる。
「おぉ、できたね。では、次にこのガラスを拭けるかな? これはガラス拭きでやるんだよ。泡でるよ」。Aさんは一生懸命、ガラスについた泡を拭いている。中のトイレがみえるからパニックを起こすかも知れない。
「中見えた?」とわざと中をのぞいてみてもらう。トイレだとわかっているのか、いないのか、返事がない。
「中も汚いのよ。いっしょにきれいにしようか」。ドアを開けて、まず、ドアのトイレ側を拭いてもらう。私は便器が見えないようにトイレに腰かける。
「Aさん、私うんちしたくなっちゃった。今やってもいい?」
Aさんが私を見て笑った。「しょうがないね。そこを掃除しようと思ってたんだよ」「じゃ、すぐやるね。私はトイレ早いんだよ。そこで待ってて」。さぁ急いで急いで、やるふりをし水を流す。
「あは、すっきりした。じゃ、トイレの掃除始めよか」。女性の高齢者は長年の主婦経験を持っている。姑の下で手抜きを許されない家事をこなしてきたのだ。「すごいね。Aさん、きれいになったよ。みんなトイレ汚すからね。明日からピッカピカにしようね。すごい、すごい…」。
なんか自立大作戦の一日目はうまく行きすぎ。その後、紆余曲折やムラはあったが、Bさんの床拭き、Aさんのトイレ掃除は彼女たちの日課になった。Aさんは、掃除を始めた一週間後には不完全ながらもトイレで排せつをするようになった。
Bさんはその後、新築の大規模な特養の個室に移り、約半月後に居室で亡くなった。徘徊のため居室から出してもらえず、トイレで溺死という不可解な死因が伝えられた。クイックルを見るたびにBさんを思い出す。
(あらかん)
(ちば合同労組ニュース49号から)

介護労働の現場から〈15〉介護施設の1人夜勤を禁止しよう/2人夜勤の夢

介護労働の現場から〈15〉
2014年7月2日

介護施設の1人夜勤を禁止しよう/2人夜勤の夢

すき家では夜間、アルバイト1人で一店舗を切り盛りする「ワンオペレーション」(ワンオペ)があまりにも過酷だと退職が相次ぎ、ストライキの理由にもなっている。でも、介護業界では1人夜勤はごく当たり前の現実がある。
夜勤は16時間連続勤務
介護業界はほとんどが日勤と夜勤の二交代制。日勤8時間、夜勤は午後5時~午前9時までの16時間勤務。
労基法により夜勤は2時間以上の休憩と午後10時~午前5時までは25%以上の割増賃金がつく。
1勤務の労働日は2日で換算され、月給で夜勤手当は1回3~6千円、パート時給で1回1万2~5千円くらい。正社員は、日勤だけでなく月に4回以上の夜勤が入る ことが多い。
地獄の1人夜勤
夜勤の職務内容は以下の通り。
PM5時 出勤 申し送り 入居者を食堂に移動 配膳 食事介助
PM7時 就寝介助(口腔ケア、トイレ介助、パジャマに着替え、ベッドに移乗 バイタルチェック)
PM9時~翌6時 1時間毎の巡回、おむつ替え、体位交換、トイレ誘導、個別コール、センサー対応
AM6時~ 起床介助(洗面、トイレ介助、着替え、食堂移動)
AM8時 食事介助、申し送り、記録
その他に、洗濯たたみやおむつ補充、薬セット、掃除、行事準備、食事作りなどの雑務が入る。
夜の何十人もの要介護高齢者は眠り人形ではない。昼夜逆転、頻回のナースコール、トイレ頻回、ベッドからの転落、妄想、徘徊、転倒。バイタル悪化…。それらがよく同時多発に起きる。
認知症の利用者には、「ちょっと待ってて」というのが通じない。
例えば、排せつを数分待たせておいただけで失禁、廊下が濡れ、それで他の利用者が転倒。二人分の着替えと掃除の後始末をやってると、徘徊常習者のベ ッドサイドのマットセンサー受信機が鳴り、駆けつけると、居室にはいない。施設中を探し回る。他の居室で寝ている人に馬乗りになっていたり、台所で火遊び、洗面台で水遊び。認知症は想像を超える行動を引き起こす。
湧き上がる虐待(怒鳴ったりすることだよ)やネグレクトと紙一重の感情を抑えながら、いつもPHSや個別コール、センサーの受信機をカゴいっぱい持ち、一晩中階段上り下りしながら、施設内を走りまわっている。
休憩なんてとれるはずがない。地震火事、容体急変などの緊急対応不可能。不安で夜勤入りの日はうつ状態。夜勤が原因で心身を壊し離職する人も多い。
1人夜勤は国のお墨付き
介護保険では、昼間は3名の利用者に対して職員1名以上という配置基準があ るが、夜勤の配置基準はなく、人員削減は青天井状態。ただ、介護保険のサービス評価制度に「夜勤職員配置加算」があり。41床以上なら職員2名配置すれば、利用者1人1日240円の加算がつく。それが、40床以下は1人夜勤で仕方ないという経営側のいいわけになっている。
夜勤専従
夜勤一人配置でも施設では夜勤をやる職員が不足し、夜勤専従でパートや派遣を雇う施設も多い。驚くことに、昼間の仕事後のダブルワークも多い。事故や高齢者虐待に夜間が多いのは、一人夜勤体制やダブルワークが大きな要因としてある。
二人夜勤の夢
コンビニだってファミレスだって、交番だって、夜間は複数勤務だ。これらは労働運動の成果ではなく、国や業界の深夜労働に対する常識的な判断だ。 それなのに人の命を預かる介護が1人夜勤でいいはずはないし、家族を1人夜勤の施設に預けるのは危険だと思う人も多い。
1人夜勤問題はつまるところ、少ない介護報酬では限界があるとして野放しにされている。来年の介護保険法改正で政府は介護サービス削減の方向だ。すき家のストライキを見習って、介護でも1人夜勤撲滅キャンペーンを全国の施設でやろうよ。
私は、すき家ストライキに2人夜勤の夢を見る。
(あらかん)
(ちば合同労組ニュース48号から)

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