非正規公務員の現実 「同一労働・半額賃金」

制度・政策

非正規公務員の現実を知るためにできることを

週5日働いて年116万円  私の現実は「同一労働・半額賃金」

赤裸々な実態

 「非正規雇用頼みの社会」――いま、これが可視化され、社会問題になり始めている。
 11月6日に報道された『NHKクローズアップ現代+』。ここで非正規公務員のリアルな現実が暴露された。非正規公務員の6割が年収200万円以下……。

 冒頭に紹介されたのはDV(ドメスティック・バイオレンス)の相談員。彼女は相談を一手に引き受ける重い仕事をこなし、週30時間働く。その手取りは11万円。シングルマザーの彼女は相談員だけでは生活できず深夜はパチンコ店の清掃労働者として働く。
 次に紹介されたのは茨城県のある中学校の非常勤教員。20人中3人が非正規。正規採用と同様にクラス担任も部活の顧問もまかされフルタイムで働く。正規と同じ働き方なのに賃金は上がらず、産休・育休もない。しかも半年間の契約の更新。正規の採用試験の枠も少ない。忙しすぎて勉強をする暇もないと嘆く。
 野田市の虐待死事件で社会的に焦点化されている児童相談所。ここをメインで担うのも非正規公務員だ。登場するのは大卒で臨床心理士などの資格をもつキャリア10年以上の相談員。児相職員の判断は難しく、社会的責任は重大でプレッシャーがかかる。
 残業は年500時間以上なのに手取りは月16万円。しかし職場のことを思うと仕事は辞められない。「職員は削られる一方、通告件数が増加し、自分が辞めたら児相の存続は危うい」「いっぱいいっぱいの状況を社会がどう受け止めていてくれるかな」
 次々出てくる非正規公務員の告発に「バケツの底が抜けた」と感じざるをえない。

台風で暴露

 千葉県などを襲った台風災害はこの現実を露わにした。復旧に膨大な時間がかかった背景もまた公務職場の非正規化だった。
 茨城県鹿嶋市職員は非正規が半数。「災害対策本部」を設置したが、市の防災計画には「非正規は災害対応できない」と記載されている。高齢者の避難や避難所対応はできない。住民の生活や生命に直結する重要な仕事を非正規が担っていることが明らかになった。
 もはや自治体関連だけの課題ではなく、不安定な社会そのものだ。われわれ労働者自身の課題だ。労働組合として、もっと接近しなくてはならないと感じる。(組合員K)

☆追記☆

国交労連が発行したパンフレット「非正規公務員を差別しないで!」.PDF

 9月に国交労連が発行したパンフレット「非正規公務員を差別しないで!」はハローワークで働く国の非常勤職員を取り上げている。マンガ入りでとてもわかりやすい。
 来年4月施行の会計年度任用職員制度の導入に際し、まず非正規公務員の実態を知ることから始めたい。

ちば合同労組ニュース 第113号 2019年12月1日発行より