労働安全衛生法による職場環境

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実践的に考える職場と労働法

労働安全衛生法による職場環境

安衛則・事務所則で空調や照明、休憩室・給水・トイレなど規定

 労働者が働く事務所(建物・施設)についての衛生基準が労働安全衛生法に基づく労働安全衛生規則及び事務所衛生基準規則で定められています。
 工場などは別の基準がありますので、今回は、危険物や有害物を取り扱わない事務所の衛生基準を考えます。

換気・室温

 労働者が作業を行っていると室内の空気が汚れます。このため労働者1人あたり、10立方メートルの空気が必要とされ、床面積の20分の1以上の大きさの窓を付けるか、換気設備が必要です。
 また屋内において気温が10℃以下の場合は、換気に際して労働者が毎秒1㍍以上の風にさらされないようにする必要があります。
 粉じん・一酸化炭素・二酸化炭素・ホルムアルデヒド(シックハウス)などの有害物質について作業環境測定などを定期的に行い、基準以下になるようにしなければなりません。
 適切な温湿度調節のため、事業者は冷房や暖房などの措置を講じなければなりません。室内気温17~28℃、湿度40~70%が努力義務です。

明るさ

 労働者が作業するためには一定の明るさが必要です。暗い場所で作業すれば、眼精疲労や視力の低下、さらには作業ミスや標識の見落としなどの危険が発生します。
 精密な作業の場合は300ルクス以上、普通の作業で150ルクス以上、粗な作業で70ルクス以上が必要と規定されますが、実際には、この基準ではかなり暗いので、JIS照明基準では学校の教室で300ルクス、図書閲覧室で500ルクス程度は必要です。
 照明設備の定期点検は半年に1回必要です。汚れ等による照明低下を防ぐためです。

休憩設備

 事業者は、労働者が利用できる休憩の設備を設けるようにしなければなりません(法律上は努力義務)。
 常時50人(女性30人)以上の労働者が働く場合は、横になることができる休養室を、男性用と女性用に区別して設けなければなりません。横になるので必ず男女別にする必要があります。

立ち作業用のイス

 持続的な立ち作業を行う労働者が座る機会のある場合は、イスを備えなければなりません。

仮眠設備

 夜間に睡眠・仮眠がある場合は、適当な睡眠・仮眠の場所を男性用と女性用に区別して設けなければなりません。
 発汗作業
 たくさん汗をかく場所では、事業者は、労働者に与えるために塩・飲料水を備えなければなりません。熱中症予防対策です。

清掃

 事業者は、半年に1回、定期的に大掃除を行わなければなりません。ねずみ・虫等の発生については、6か月内に1回、定期的に調査し、必要な措置を取ります。

トイレ

 男性用と女性用の区別が必要です。女性用は20人以内ごとに1つ以上、男性は大が60人以内ごとに1、小が30人以内ごとに1が必要です。

救急用具

 事業者は、救急用具を備え、その場所や使用方法を労働者に周知しなければなりません。

給水設備

 事業者は、労働者が飲んだり、食器を洗ったするのに使える水道やその他の方法で十分に供給するようにしなければなりません。水道施設がない場合は、給水器などを使うことになりますが、適切な汚染防止措置が必要です。

洗面設備・更衣室

 洗面設備を設ければなりません。服が汚れたり、濡れたりする労働者のために更衣施設や乾燥設備を設けなければなりません。
 トイレの設置基準に違反した場合など、この規則に違反した時の罰則は、労働安全衛生法に違反した時の罰則が適用されると考えられています。労働安全衛生法違反の罰則は6か月の懲役か50万円以下の罰金となります。
 ちなみに労働安全衛生法は労働基準法から独立した法律で、罰則もあり、労働基準監督署が管轄となります。

ちば合同労組ニュース 第107号 2019年06月1日発行より