ノーマ・レイ

労働映画

映画紹介『ノーマ・レイ』

保守的なアメリカ南部のとある町の紡績工場で働くノーマ・レイ(サリー・フィールド)。高校を出てすぐに結婚するも夫を酒場の喧嘩で亡くしたシングルマザー。両親も同じ紡績工場で働いている。この工場には組合もなく労働者は酷使され搾取されるまま。年老いた両親は疲れきっていた。

ある日、この町にニューヨークからルーベンという男がやって来た。全米縫製繊維産業労働組合からこの町の工場に労働組合を組織するために派遣されて来たのだ。
ルーベンは、毎朝出勤して来る労働者にビラを配布しながら彼らが工場から不当な待遇を受けていることを知らせて組合に勧誘した。ルーベンと親しくなったノーマも労働者としての意識が目覚めていく。そして父の死……
ノーマに恋人ができたり、組織化がうまくいかず口論になったり、ノーマとルーベンは信頼関係を強めていく。

終盤、ノーマが「UNION」と手書きしたボードを掲げて立ち上がり、延々と続く機械音の中、1人ずつ労働者が機械を止めていくシーンは感動的です。
労働組合を結成するには職場投票で過半数が必要とされるアメリカの事情はありますが、労働組合の組織化と労働者の人間的成長を描いた良い映画だと思います。

ちば合同労組ニュース 第59号(2015年6月1日発行)より