ヤマト・郵政で労働争議が拡大
~物流再編に対する労働運動を~
今年6月、ヤマト運輸が、企業のカタログやチラシを配達する業務(クロネコDM便)を日本郵政に業務移管するとして、ヤマトで働く個人請負やパート労働者との契約を来年1月31日付で一斉に切ると発表した。実に3万数千人におよぶ大リストラだ。
これに対し茨城県内のヤマトベースで仕分けで働くパート労働者が労働組合をつくってヤマトに解雇撤回を要求した。ヤマト側は「整理解雇ではない」と苦しい言い訳に終始し、一部の事業所では雇用継続が実現された。
他方、個人事業主との理由によるヤマト側の団交拒否に対して労働委員会が始まった。ストライキも準備され、全国的に注目される大きな闘いになっている。
また業務移管先の日本郵政は3割増の郵便物が予想され職場の過酷化は必至だ。そもそも日本郵政はJPビジョン2025で3万人リストラ案を発表し、深夜勤や土曜配達をなくしたばかり。増員の見込みはまったくない。現場がどうなるか、郵政側はまったく説明をしていない。本当にこれから現場の闘いがかかってくる。
配達業務は人を置き換えただけで成り立つような簡単なものではない。ヤマト運輸も日本郵政も現場で働く労働者の存在をまったく無視している。この労働争議の背景には、インボイス制度や物流2024年問題もある。今年から来年、物流再編における労働運動が注目される。
ちば合同労組ニュース 第160号 2023年11月1日発行より