職場活動を重視し業種別組織化も志向した地域労組に

組合活動

職場活動を重視し業種別組織化も志向した地域労組に

 ちば合同労組は10月24日に定期大会を開催します。組合員の皆さん、ぜひご参加をお願いいたします(参加できない組合員は委任状をお願いします)。
 昨年の大会から1年となるわけですが、この間、千葉県における地域合同労組の特性を活かしつつ、物流倉庫・郵政、介護、交通運輸、非正規公務員などの重点業種を設定し、その産業・業種の具体的な状況を対象化し、個別の労働条件の改善にとどまらない産業別・業種別の運動を志向していく方向性で取り組みを進めてきました。

 この間の経験は、その多くが非正規労働者を組織する合同労組・ユニオンであっても、「駆け込み寺」=個別労働紛争解決の運動を超えて職場で仲間をつくり、職場の共通の問題、業界特有の問題など、職場の現状を変える〝集団的労使関係〟を志向する労働運動が可能であることを示していると考えています。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、病院や介護、保健所などの業務を担う「エッセンシャルワーカー」の多くが非正規雇用であり、私たちにとって必要不可欠な社会的領域の多くが非正規労働者の労働によって維持されていることを明らかにしました。
 医療・介護や保健所だけでなく、あらゆる産業・業種・職場において同様の事態が生じています。民営化や非正規化、合理化や外注化が進み、雇用や賃金が破壊され、要員が不足し、安全や責任が放棄され、労働者は誇りや使命感・責任感を持って働くことが困難となっています。
 もちろん新型コロナ問題は、個々の労働者の雇用や賃金その他労働条件について深刻な危機をもたらしています。地域合同労組・ユニオンにとって大切な課題です。
 しかし同時に、働く者が現場の労働において誇りを取り戻す、働いていれば当然に感じる疑問や怒りを労働組合的に表現・体現する、使命感や責任感を持って働くことができる職場に変革する――を目指して職場の仲間と団結して労使の力関係を変革する活動を地域合同労組でも展開できると感じています。
 私たちは、職場活動を重視する地域合同労組・ユニオン運動を進めたいと思います。また地域的な団結を強化しつつ、産業別・業種別の運動も展開していきます。
 日本における産業別・業種別運動の先駆者である関西生コン労組は、過酷な労働条件であった生コン業界において企業の枠を超えた業種別の統一指令部を目指して1965年に結成されました。
 関西生コン労組は倒産攻撃や組合分裂工作、暴力団の襲撃など一進一退の苦闘の中で「人の痛みを己の痛みとする」「敵にやられたら3倍にして返す」の作風をつくり出し、さまざまな限界を克服して、背景資本との闘い(使用者概念の拡大)、日雇い労働者の本採用化や優先雇用協定、集団交渉方式、政策闘争などの産業別労働組合の路線をつくりました。
 関西生コン労組から学んで介護や物流倉庫、交通運輸など産業別・業種別の取り組みを強化します。
 ささやかではありますが、この1年、そうした方向での取り組みが進んできました。執行委員・スタッフの体制補充・強化、職場組織づくりのバックアップなど課題はたくさんあります。定期大会で活発な議論を進めます。ぜひ結集をお願いします。

 ちば合同労組ニュース 第135号 2021年10月1日発行より