1月労働学校「戦争のない社会は可能か?」

組合活動

〝労働者の協力なしに戦争はできない〟

世界中で大軍拡と戦争の危機――1月労働学校より

 「2023年は新しい戦前になるかもしれない」――これは昨年末のテレビ番組「徹子の部屋」でのタモリさんの言葉です。

 岸田政権が勝手に閣議決定した敵基地攻撃能力の保有や防衛予算の倍増でこの国のカタチが一気に変わろうとしています。子育て予算をはじめ社会保障費が削減され、一気に大増税や国債発行など国家予算を崩壊させる道、つまり「戦前のような社会が来る」との危機感が広がっています。コロナを「5類扱い」にするのも5月サミットに向けたひとつの軍事外交であり、防衛予算の財源をつくるためです。

台湾有事をあおる

 ウクライナ戦争の進展の中で国家総ぐるみで戦争の不安が煽られています。1月、米シンクタンク・CSISの戦争シュミュレーションでは、米日の軍隊が台湾有事で出動し、3~4週間で空母2隻をはじめ数万人の大量の死者が出る壮絶な結果が明らかになりました(民間人の死者は明らかにしていません)。

 戦争に勝者はなく、米国・中国ともに致命的な打撃を受け、共倒れになるという恐るべき想定です。戦争の甚大な被害を少なくするためには、民間空港の使用などアメリカに協力せよよ日本に突きつけています。

 これらの戦争のリアリズムを背景に、「防衛費を上げるのは仕方がないのでは…」と多くの人が思わされていることも事実です。

 世界で行われた「もし戦争になったら国のために闘いますか?」というアンケートで、日本は「はい」と答えた人が世界でダントツに低い13・2%。この結果を見ても、かつての侵略戦争で痛苦の経験をした日本の人びとは戦争など望んでおらず、ましてや他国に攻めることなど求めていません。

資本主義の限界

 昨年は、ウクライナ戦争や自衛隊内のパワハラ・セクハラの実態が暴かれたことで自衛隊の志願者は減少。戦争になれば大量の辞める人が出るでしょう。岸田のためには死ねないという意思表示でもあります。

 兵士は〈制服を着た労働者〉です。「金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ」(サルトル)の言葉のとおり、戦争で犠牲になるのは普通の人びとなのです。

 1月の労働学校は、ウクライナ戦争や日米の戦争計画、沖縄や南西諸島の軍事配備などを資料や映像を使って解き明かす内容でした。

 そして、この戦争が起こる本当の原因は、単にバイデンやプーチンら為政者の好戦性にあるのではなく、資本主義の限界の中にあること。また、戦争の現実を突破してきた労働者の歴史を紹介しました。

 質疑では、職場で同僚から「日本が攻められたらどうするの?」という問いにどう答えるのか? をめぐって活発な議論になりました。

ちば合同労組ニュース 第140号 2022年3月1日発行より