連載・介護労働の現場から〈働き方編12〉

仲間づくり(2)コミュニケーション

▼メンタル研修のムダ
 介護労働は、一日中歩き回っているといっても過言ではない。勤務中、他の職員と業務以外で口を利くヒマもない。シフト制で勤務時間が合わないので、帰りに飲み会なんてまずない。プライベートなことはほとんどわからない。
 そんな薄い関係でどうやって仲間づくりができるんだろう。仲間どころか労働に対する感想や不満を話す機会もなく、一人で労働のつらさやストレスを背負い込み、メンタル不調になっても無理して対人職をこなし、もう叫びたくなるような心の状態で勤務し、ついにバーンアウトで退職…が介護労働者の典型的な離職パターン。
 それに対し事業所は離職対策として、メンタル研修をやり、外部から来た講師が「規則正しい生活をしよう」「睡眠をとろう」「趣味を持とう」「合コン行ったら」と得意げにアドバイスする。
 ほんとムカつく。そんなこと到底できない働き方を強制してるのは経営側なのだ。こんなムダな研修に労働時間を奪われ、研修当日はサービス残業必至。参加者から搾取した残業代が講師のギャラに化ける。

▼ナンパする

 自分のメンタルは自分で守る。メンタル不調の原因となっている労働の問題は労働の改善でしか解決できない。一人ではできない。仲間が必要だ。コミュニケーションは自分で作る。会う機会を必死で見つけ労働の問題を話すのだ。
 仕事場以外どこで、会える?
更衣室、休憩室、職員トイレ、エレベータ、物品倉庫、洗濯室、喫煙所…。それらの場所で職員の姿を見つけたら、「お疲れさま」だけで済ませてはいけない。ナンパに躊躇(ちゅうちょ)してたら、仲間はゲットできない。まず顔の筋肉をゆるめ、チャラ男、おせっかいおばさん、ヘラヘラ女に瞬時に変身! 近寄って声をかけ、自己紹介してみよう。
 ほとんどの職員はコミュニケーションに飢えているのか、警戒心がなくナンパの成功率は高い。

▼秘密結社

 ナンパの壁を突破してもオルグするぞと暗い欲望を丸出しにしてはいけない。きつい労働やめんどくさい利用者も笑わせるネタに変えて、この人と話してると楽しいと思わせる。
 そのうち、ナンパ師が更衣室とか休憩室に行く時刻に合わせてくれるようになると、自然と仲間ができ、携帯メールの交換→情報共有が可能になる。休憩室にバレンタインチョコや誕生日プレゼントが積んであったりする。居酒屋やランチに誘っても都合をつけてくれて、さらに仲良くなる。
 次に、仲良くなったのを愚痴や気晴らしに終わらせない。「更衣室情報部」とか、「非非会議(非常勤非公式会議)」とかネーミングすると、秘密結社みたいで楽しいよ。そして行動は小さな反乱から始める。少人数の行動でも、メールやSNSを通じ、情報は、事業所全体に伝わる。経営側の言動は晴天白日の下にさらされる。もみ消すことはできない。(あらかん)

ちば合同労組ニュース 第84号 2017年7月1日発行より