各地で集会や慰霊祭 関東大震災から100年
歴史と向き合うべき時
船橋市馬込霊園で9月3日、朝鮮人虐殺事件の犠牲者を追悼する慰霊祭が行われました。ちば合同労組も、地元の政党や市民団体とともに参列しました。
1923年9月1日に関東大震災は発生。首都は壊滅し、関東全域で25万人を超える死傷者が出ました。この大地震の混乱の中で「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」とのデマが流布され、6600人の朝鮮人が虐殺されたのです(千葉県では約350人が殺害された)。
千葉県は関東大震災と深い歴史を持つ。野田市の農村では、香川県出身の薬売りの行商団が、方言によって朝鮮人だと村人たちに疑われ、次つぎと虐殺される痛ましい惨劇が起きた。「福田村事件」と呼ばれ、映画が制作され、現在上映中で予想外のヒットとなっている。
船橋市では、行田にあった海軍無線通信所から内務省警保局長による「『鮮人取締り』に係る電文」が全国に発信された。これによって軍隊や警察ばかりか町や村の善良な住民たちまで虐殺に手を貸す加害者に駆り立てられた。
現在、こうした事実をなかったことにする動きも。松野官房長官は「(朝鮮人虐殺について)調査した限り、政府内で事実関係を把握できる記録が見当たらない」(8月30日)と述べた。
政府が残した文書や記録はいくらでもある。国主導で「デマ」を発する発言だ。戦争の動きや社会不安が激しくなる昨今、この過去の歴史に踏まえ、未来に向かって正しく向き合うべきではないか。
ちば合同労組ニュース 第159号 2023年10月1日発行より