旭硝子韓国法人 直接雇用の判決

組合活動

非正規労働者が組合結成で178人解雇

旭硝子韓国法人 直接雇用の判決

 世界最大手のガラスメーカーである旭硝子(AGC)の韓国法人ファインテクノコリアは2015年6月、請負会社で働く非正規労働者が労働組合を作ったという理由でメール1本で178人を集団解雇しました。
 最低賃金ギリギリの賃金で土日も休めない。風邪を引いても休めない。昼食時間は20分、ミスをすると懲罰で赤いチョッキを着せられる。文句を言おうものなら解雇が待っている。労働組合なんて縁のない世界――そんな非正規労働者がついに旭硝子韓国法人の請負会社で労働組合を結成したのです。
 ファインテクノコリアは、請負会社と共謀して、まだ6か月も残っていた請負契約を突然破棄、これを受けて請負会社が全員に整理解雇通告をしたのです。メンテナンスの一斉休暇と偽って工場から全員を閉め出し、メールによる通知で178人を一斉解雇したのです。その後、請負会社は廃業となりました。
 組合員はこれまでに2度の日本への遠征行動を行い、日本で支援組織もできました。23人の組合員が闘いを継続、8月23日、解雇された組合員の直接雇用を命ずる画期的な判決をかちとりました。違法派遣をめぐっては日本人社長が刑事告訴されています。
 AGC(旭硝子)は、世界30カ国で5万人の従業員を擁し、2018年の売上高は1兆5229億円で世界市場シェアナンバーワンの巨大企業です。創業1907年で朝鮮植民地支配の戦犯企業でもあります
 これまでは、労働組合をつぶすために請負会社ごと廃業にしたので解雇された労働者が復帰する会社はない状況でした。今回の判決は、ファインテクノコリアへの直接雇用を求める内容で画期的な判決なのです。
 しかし韓国法人には実質的な権限はなく、直接雇用の責任と権限を持つ日本のAGC本社の決断が求められています。このため9月2から数日間、再び日本に遠征闘争に来ることになりました。
 ちば合同労組でも、かつて組合(分会)ごと請負会社を切り捨てられた争議を闘った経験があります。とても人ごととは思えない。遅ればせながら私たちも共に闘いたい。

ちば合同労組ニュース 第110号 2019年09月1日発行より