迫る物流危機2024年問題、深刻なドライバー不足

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深刻なドライバー不足と労働時間規制

迫る物流危機/2024年問題

 物流業界では、物流危機に直面する「2024年問題」が焦点となっている。
 17年、アマゾンなどEC(電子商取引)の成長に伴い、ドライバー不足で急増する宅配貨物の配送がさばけなくなり、当日配送の停止や宅配便の総量規制が行われた。19年3月にも、引越事業者がドライバーを確保できず、「引越し難民」が話題となった。
 同時期に社会的耳目を集めたのがヤマト運輸の労働問題だった。ヤマト運輸が残業代の未払いなどによる労働基準法違反で労働基準監督所から是正勧告を受けたことが大きなニュースとなった。過去2年分約190億円の未払残業代を支払うことになりヤマト運輸の営業利益は前期比で半減となった。
 17年危機ではアマゾンなどが運賃値上げに同意し、労働環境の改善や離職防止策を打ち出し、わずかにドライバーの労働環境は改善した。
 しかし、今なお貨物量は増加し、ドライバー不足は加速、あらためて物流関係は破局的な危機が危惧されている。
 鉄道貨物協会の試算によると、17年度は約10万人のドライバーが不足していた。25年度には20万人以上の不足が予測される。自動車運送事業の時間外労働の長さは全職業平均の約2~3倍、にもかかわらず年間賃金は約1~3割低い。人手不足は年々深刻化し、高齢化も進む。 
 力仕事も大変だ。10㌧車に野菜や冷凍食品など10㌔近い段ボール箱千ケース以上を手積み・手卸しで2~3時間というケースもある。

労働時間に上限

 他方、自動車運送事業でも、19年に施行された「働き方改革関連法」に基づく罰則付きの時間外労働時間の上限規制が24年4月から始動する。
 労働基準法では、労働時間は原則1日8時間・1週40時間と定められる。36協定を結んでも、法定労働時間を超えて残業が認められるのは、原則月45時間・年360時間まで。労使で特別条項に合意したときには年720時間までの時間外労働(休日労働も含む)が認められる。 
 運送業務こそ長時間労働を真っ先に是正すべきだが、労働字機関規制の実施について猶予期間が定められていたのだ。しかし24年から適用となり、年960時間の時間外労働の上限が設けられる。目安としては月平均で約80時間の時間外労働となる。
 労働時間規制のためドライバーの要員不足が深刻化すると予想され、2024年問題と呼ばれているのです。
 また23年4月からは、中小企業においても月60時間を超える時間外労働に対しては割間外割増賃金率が50%となる(月60時間までの時間外労働への割増賃金率は25%)。
 拘束時間は、1日の上限が13時間、最長16時間となっている。拘束時間が15時間を超える日数は週2日以内。休憩時間は拘束時間に含まれ、労働と切り離すことができません。食事等を含む休憩時間を1時間とった場合も、その1時間は拘束時間に含んだ上での13時間という考え方です。
 もちろん仮眠時間も休憩時間と同様に拘束時間に含まれます。荷待ち時間も、基本的には労働の一環であり、拘束時間に含まれます。日本トラック協会も「荷待ちは本来の休憩時間とはしない」との見解を出しています。
 「休息時間」は次の労働が始まるまでの時間を指す。休息時間は1日8時間以上と決められており、これより短い場合には労基法違反となる。

ちば合同労組ニュース 第137号 2021年12月1日発行より