労働法「危機」の時代-労働学校・奧貫さん講演

組合活動

労働法「危機」の時代

労働学校・奧貫妃文さん講演

昨年に続く、大学の教壇から見える風景からお話しを展開する奧貫さん。10代の学生たちを前に、安保・戦争・労働法が切迫した状況にあることを伝えるそうだ。でも、「安保、戦争って何?」という反応がほとんどだと。「ブラック企業」「ブラックバイト」という言葉がすごく流行し、バイトでの相談も多い。しかし、「自分がひどい目にあわないように」「自分さえよければ良い」という立場では、世の中の批判には向かないのだという。

奧貫さんは続けて、国会で審議されている労働法制の大改悪への警鐘を鳴らす。
残業代ゼロ法、派遣法改悪、解雇の金銭解決制度、生活困窮者自立支援法…。一つ一つが重大な問題。この説明のなかで「長時間、労働者を労働現場にしばりつける、無批判、思考させないような社会にしようとしている」という言葉は的を射ていた。戦前より、ひどい労働環境が広がっている。安保法制も労働法も本質的な部分では同じ。ひとつのものとして今の時代に登場しているととらえることが大事だという。

講義の最後に、あるエピソードが出された。外国語講師Aさんの雇い止めに対し、大学当局が講義を非組の講師がもつ講義を受講せよと圧力をかけた。
それでも「A先生の講義を受けたい」と受講する学生。さらに、別の語学講師が、「雇い止めはおかしい」とストライキに立ち上がったという。「大学はまだまだ捨てたものではない」。奧貫さんは語気を強めた。

孤立させられ、自己責任という価値観を突破した先に、労働組合、団結がある。戦争と貧困、孤立を強制する社会に立ちむかう労働組合が求められている。(K)

次回実践編は関西生コン支部

n0061_04_01a 次回の労働学校実践編(8月22日)は、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部のお話です。生コン関連産業を中心に組織する労働組合で、数年前に大手ゼネコンを相手に139日のゼネスト。大阪駅前の再開発もストップしました。
この間は、生コン業界を超えて「清掃・産廃」「医療・介護」「サービス・製造・食品」など様々な産業で労働組合を結成しています。資本と国家権力の激しい弾圧を打ち破って労働組合をつくってきた、本当に貴重な経験を聞く機会です。

ちば合同労組ニュース 第61号 (2015年8月1日発行)より