労働学校・武谷新吾さん講演

組合活動

 「人の痛みを己の痛み」

関生型労働運動の実践

労働学校・武谷新吾さん講演

〝労働運動に夢を〟

8月22日、動労千葉の労働学校実践編は、関生の武谷新吾書記次長が講師でした。
全日本運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生、かんなま)は、関西の労働組合では通称「連帯」の名で、知る人ぞ知る有名な労働組合。
動労千葉や港合同とともに3労組共闘をつくり、毎年11月に日比谷野外音楽堂で全国労働者集会を開催している。
関生は、その強力な闘いによって高水準の労働条件をかちとっている。
特筆すべきは、資本に対し、運んだセメントの1立方㍍(リューベ)あたり100円を「生コン基金に入れる」ことを約束させることを要求して闘っている。これを労働組合の事業にしている。
「関生は脅して、もろてるだけやろ」と言われることもあるらしいが、「敵の武器をとって米軍と闘う」というベトナム戦争でのヴォー・グェン・ザップ将軍の思想がルーツとのこと。
これで、年金保障や総合レジャーセンターや介護施設、心療内科など色々な施設をつくるのだという。
「労働運動には夢がなかったらあきまへんから」と武谷さんは意気込む。

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かちとった条件

2千人を超える組合の幹部を務める武谷さん。しかし、はじめは日雇いの生コンの運転手、一労働者だった。生コン会社から受け取った額は一日2万円。普通の運輸産業であれば日給で1万円くらいだった。
「こんなにもらっていいんですか」と会社側に話そうとしたら、分会長がやってきて「ややこしいこと言うな。関生がかちとってきたんや」とストップがかけられた。そして2時間半、「労働組合とは何か」「関生の歴史」をこんこんと教えられたという。
「先輩らがすごいんです。僕なんかバブルの頃は遊んでただけですわ」
労働条件がいかにつくられてきたのか。それは闘ってかちとるべきものだということだ。武谷さんも、執行部とな
り警察の弾圧やヤクザとのやり合いを闘って、その労働条件を守ってきた。

労働者教育の意義

関生では、ある組合員が不当労働行為や権利侵害が発生したら、仕事中でも動員をかけてただちに駆けつけて抗議して撤回させる。50人くらい組合員がすぐに集まるそうだ。強力な仲間意識であり連帯が背景にある。
そして、コツコツとした日々の労働者教育、学習会活動、「人の痛みを己の痛みと感じるような労働運動」という武委員長の労働運動哲学がある。
関生は来年度から大阪労働学校を開講し、歴史や哲学も含む講座を展開するという。関生の運動はますます勢いがつきそうだ。(組合員K)

ちば合同労組ニュース 第62号(2015年9月1日発行)より