世界で怒りの行動 労組結成の追い風

物流倉庫・運輸

物価上昇に対し賃上げを要求

世界中でストライキが頻発・継続中

労組結成の追い風

 ウーバーイーツに、配達員組合との団体交渉に応じるように求める東京都労働委員会の決定が出ました。20人でつくる組合(ウーバーイーツユニオン)が、ウーバーで働く労働者(約10万人)の待遇改善のために3年がかりの奮闘を行い、つかみとった画期的勝利だ。
 これまでコンビニオーナーやアマゾンの配達員などが組合をつくって団体交渉を申し入れても、会社側は団体交渉を拒否し、「個人事業主は労働者ではない」として、その要求は退けられてきた。
 しかし、今回のウーバー配達員の組合の勝利は、これらの流れを変えるものだ。都労委は「形式上、(ウーバー社が)シェア事業者をうたっていても、実態として運送業の役務の提供主体であり、その事業のために配達パートナーの労務を利用していると評価されるのであれば、労組法の適用対象となり得る」と判断した。
 これは多くのネットビジネスで働くギグワーカーにも当てはまる。400万人を超えるフリーランス、個人事業主として働く労働者の待遇改善をかちとる突破口を切り開く可能性をもっている。
 各所でフリーランスという形でもユニオンを結成する動きも始まっている。この勝利に続き、あらゆる職場で組合をつくろう。

巨大テック企業で

 この間、米国の巨大テック企業であるメタ社(フェイスブックやインスタグラムを運営)、アマゾン社が異例の大規模な人員整理=大量解雇を始めている。
 ツイッター社を買収したイーロン・マスクは従業員の半数にあたる約3700人を解雇。その後、残った社員に「退職か激務か」のどちらかを選ぶよう求め、さらに1千人を超える社員を自主退職に追い込んだ。
 日本でも、これに乗じて米国式の大量解雇の推進、解雇の規制緩和を狙う動きもある。ホリエモンやひろゆきが、イーロン・マスクを支持し、「いらない社員は解雇して当然」との言辞の吐き、解雇規制こそが日本の景気を悪くしているとの論調がつくられている。
 物価高騰、インフレの中で、これまで利益を独占してきたIT企業の成長にもついに陰りが見え始めている。「解雇して当然」と主張してすべてを労働者のせいにして乗り切ろうとしている。

世界で怒りの行動

 アマゾン社では、大規模な安売りが実施されるブラックフライデーに合わせて世界同時のストライキや抗議行動が起きている。30か国で「アマゾンは公正な賃金を払え」のスローガンが掲げられた。
 アップル社の生産拠点である中国の工場も、大量解雇と未払い賃金、コロナ感染懸念に対して暴動的な抗議が起きている。米韓を始め、ネットビジネスで過酷な労働環境にある物流労働者がストライキに立ち上がっている。
 資本主義の中心の部分から労働者が立ち上がり、これを覆そうという労働者の闘いが始まっている。(組合員K) 

 ちば合同労組ニュース 第149号 2022年12月1日発行より