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書評 『イギリス炭鉱ストライキの群像』(熊沢誠著・旬報社)

書評 『イギリス炭鉱ストライキの群像―新自由主義と闘う労働運動のレジェンド』(熊沢誠著・旬報社)英ゼネスト準備した炭鉱労働者の闘い  「間違いなく私の最後の著作」――労働問題研究の第一人者である熊沢誠氏の強い思いが込められた一冊だ。 彼が執筆を思い立ったのは、英国で物価高騰の中、数十年ぶりに起きた大ゼネスト、他方で日本では関西生コン労組への弾圧を見ぬふりする日本労働界の姿。同じく80年代に新自由主...
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書籍紹介 「使い捨てられる教師たち」(佐藤明彦著)

非正規教員の実態を暴く 1年ほど前の出版だが問題意識があり、手にした。 1年契約で雇用され正規教員とほぼ同じように働く非正規教員は全国に10万人以上おり、全体の2割に迫る。小学校では学級担任を務め、中高では部活動顧問も。生徒や保護者から見れば正規教員と何も変わらない。 著者は、非正規教員の増加こそが教員不足の最大要因と指摘する。問題の発端は小泉内閣が推進した三位一体改革で、公立学校を支える財政的基...
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『大人のいじめ』板倉昇平著(講談社新書)

書評『大人のいじめ』板倉昇平著(講談社新書)急増するパワハラ・いじめ いかに立ち向かうべきか 労働相談の中でも1番多い部類に入るのが「パワハラ」です。本書は、現在起きるパワハラ事例を類型・ケースごとにまとめ、現状を分析しています。ちば合同労組の組合員も、パワハラに直面する当事者がおり、これとどう立ち向かうのか私たちとしても喫緊の課題です。 職場のいじめによって精神疾患を発症し労災認定された件数が、...
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『ジェネレーション・レフト』

書籍紹介ジェネレーション・レフト左傾化する世界の若者を分析  「ジェネレーション・レフト」という言葉が注目を集めている。海外の若者が左傾化していることを指す言葉だ。8月に同名の書籍が出版され、話題になっている。 英国の政治理論家キア・ミルバーンという人物の著書。近年、英労働党コービンや米民主党サンダースの躍進は、80~90年代半ば生まれの「ミレニアム世代」「Z世代」が彼らの左派的な主張に共感を深め...
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『労働組合とは何か』(岩波新書・木下武男著)から学ぶ

『労働組合とは何か』(岩 波 新 書木下武男著)から学ぶ 岩波新書から『労働組合とは何か』(木下武男著)が出版されたので早速読んでみた。 本書はまず第一に、日本の労働組合の力が極端に弱いことが企業のやりたい放題を許しているとし、労働者の現状を打破するのは他の誰でもない労働組合だと熱烈に訴える。筆者は、「本当の労働組合」とそれを形成するエネルギーをユニオニズムと定義し、ユニオニズムの創造を訴える。筆...
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『闘わなければ社会は壊れる』

書籍紹介 『闘わなければ社会は壊れる〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店) タイトルからして刺激的で示唆に富む提起が多い。 「今日、社会問題は、政治家やエリートを中心とした調整や政策によって巧みに解決されるべきものであるかのように語られ、調整や政治に期待する風潮はカリスマ的指導者を待望する心理さえ…こうした風潮は市民・労働者を委縮させ要求や権利の主張を困難にしている」「社会運動の側も、自ら...
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『日本が売られる』(堤未果著)

紹介『日本が売られる』(堤未果著)社会崩壊に立ち向かうには 『貧困大国アメリカ』著者として知られるジャーナリスト堤未果氏の最新作。安倍・改憲の裏で何が起きているのか? 日本社会でいったい何が動き出しているのかがわかる一冊。書店の新書売上でも1位にランクインした。社会丸ごと民営化 少し本の紹介をしたい。冒頭から「水が売られる」「土が売られる」「タネが売られる」……と立て続けに並ぶ章タイトルが衝撃的だ...
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『ルポ保育格差』小林美希著(岩波書店)

書評 『ルポ保育格差』小林美希著(岩波書店)保育現場からの迫力のレポート改善進むぬ実態 『看護崩壊』『看護の質』などを描いた社会派ジャーナリスト小林美希氏が保育園の実態を克明に捉える。本書は『ルポ保育崩壊』から3年経った保育現場を描いた〈続編〉だ。 「待機児童解消」「保育士の処遇改善」の名のもとで保育園は変わったのか? 現場はまったく逆であることを本書は教えてくれる。 それは「委託費の弾力的運用」...
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書評『求人詐欺/内定後の落とし穴』(今野春貴著)

書評『求人詐欺/内定後の落とし穴』(今野春貴著)横行するブラック求人 労働者の教訓は?  生きるためには働かなくてはならない。わざわざ悪条件の場所を探す人はいない。仕事を探す労働者は自分に与えられた条件で可能な限り好条件の仕事を探すだろう。そのために資本が提示する労働条件をみながら仕事を探すわけだ。でも自分を含め、ほとんどの仲間は入手可能な求人票が信用ならないことを知っている。賃金から始まって、労...
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書評 『「貧困世代」社会の監獄に閉じ込められた若者たち』

書評 『「貧困世代」社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(藤田孝典著 講談社現代新書) アベ政治がもたらしたもの 安倍政権の「一億総活躍社会」「総非正規職化」のもとで何が起きているのか。本書はこのリアルな状況を鋭く描く。著者は『下流老人』というベストセラーを出版し、20万部の売上を記録。ソーシャルワーカーとしての経験を活かし、これからの「貧困世代(40歳以下の若者)」は下流老人世代よりもっと深刻だ...
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書評 『雇用身分社会』(森岡孝二著 岩波文庫)

書評 『雇用身分社会』(森岡孝二著 岩波文庫)論争招く〈身分〉に込めた筆者の真意は「正社員が安定した雇用で一番安定した働き方という考え方は、二十年後にはきっと非常識になっているのかもしれない。フリーターの存在は時代の先を行っている」「正社員でいるとリストラや定年がある。フリーターのような立場なら本当の意味で一生涯の終身雇用が可能だ。だから今は不安定といわれているフリーターが安定した働き方になる」(...
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書評『新自由主義の本質とその導入・展開』

『新自由主義の本質とその導入・展開』鎌倉孝夫著(発行 労働者学習センター) 動労千葉の労働者学習センターのブックレットの新刊が出ました。労働学校の講師もやっておられる鎌倉孝夫さん(埼玉大学名誉教授)のお話をまとめたものです。組合員のみなさんもぜひ一読をお勧めします。本書は2012年7月、8月に開催された「新自由主義と闘う連続シンポジウム」で行われた鎌倉孝夫先生の問題提起と質疑を収録したものです。現...
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本の紹介『25日 現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録』

〝美しき連帯〟こそ希望(書評)『25日 現代自動車非正規職蔚山工場占拠闘争の記録』パク・チョムギュ 著(広沢こう志 訳)◎息をのむ闘い韓国全土が息をのみ注目し続きした、韓国における非正規職闘争の象徴とも言うべき闘いの一つ。2010年冬の現代自動車非正規職のろう城ストライキ闘争。ドラマを迫った記録、『25日』。著者は、命がけで闘った非正規職と同じ気持ちで同じ物を食べ、同じ闘いとして記録にとどめた。こ...
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『私たちが見えますか―弘益大清掃・警備労働者の物語』

『私たちが見えますか――弘益(ホンイク)大清掃・警備労働者の物語』この本は2011年1月3日から49日間にわたって籠城闘争を闘い抜き、原職復帰を頂点に団体協約を締結し、賃金・労働条件の改善をかちとった弘益大学の清掃。警備の労働者の記録です。そもそも人びとはその人たちを見ようとはしませんでした。男子トイレに女性労働者が入ってきても平然と用をすませる。「ああ、あの人たちの目には私が見えていないんだ」と...
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『労働組合運動とはなにか』

「誰でも入れる労働組合を!」英国一般労組の歴史から学ぶ今年1月に岩波書店から出版された『労働組合運動とはなにか』(熊沢誠)を斜め読みしました。著者も「まえがき」で書いてますが労働組合をタイトルに冠した書籍が岩波から出版されるのは、やはり労働組合の復権が要請され、期待される社会状況を反映していると思います。労働組合の一番大切なことは「社会の主人公としての労働者の誇り」や「団結のすばらしさ」をつかむこ...
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〈書評〉港合同『企業の塀をこえて』

〈書評〉港合同『企業の塀をこえて』ちば合同労組の「壁」を超えるには!?組合ニュース29号(2012年12月5日付)に引き続き、大阪の合同労組である「全国金属機械港合同」について考えたいと思います。今回も港合同の故大和田事務局長の著書『企業の塀をこえて』からです。港合同は、「港」という地域全体を一つの企業と考え、企業の塀をこえた運動を長期にわたって積み上げてきた合同労組です。500人の組合員を擁した...