労働映画

映画紹介『怒りの葡萄』

映画紹介『怒りの葡萄』  スタインベックの小説を映画化。舞台は世界大恐慌後の30年代末の米国。大規模な資本集約型農業が拡大し、米中西部で深刻化したダストボウル(開墾で発生した砂嵐)で耕作が不可能となり流民化する農民が続出、社会問題となっていた。本作は、さらなる機械化を進める資本家と土地を追われカリフォルニアに移っていった貧農たちとの闘争を材料に故郷オクラホマ州を追われたジョード一家を描く。  トム...
その他

回転寿司 労働から考えるスシロー事件

回転寿司 労働から考えるスシロー事件 低価格武器に10年で市場規模1・6倍に  いま回転寿司チェーン店で客による「迷惑行為」の多発が問題になっています。一連の騒動の発端となったのが、湯呑みや醤油差しなどを舐め回す高校生の動画がSNSで炎上した事件(「スシローペロペロ事件」)です。  当該の高校生は強い社会的批判を浴び、学校も中退に追い込まれ、多額の損害賠償請求も予測される。確かに面白がって投稿した...
物流倉庫・運輸

大幅賃上げ・分断打破の春闘を

大幅賃上げ・分断打破の春闘を 労働者は生きるために団結しよう 40年ぶりにインフレと春闘が社会の焦点に  ちば合同労組では今年、本格的に春闘を取り組むことを決めました。30歳代以下の若い人は〝春闘〟のイメージがないかもしれません。春闘の歴史などを簡単に振り返り、少し考えたいと思います。  百科事典を引くと〈春季賃上げ闘争の略。企業別労働組合の賃金闘争を春季に合わせ、産業別労働組合組織ごとに要求額や...
制度・政策

会計年度任用職員3年雇止め問題 雇い止め中止し、再任用を!

実践的に考える職場と労働法 会計年度任用職員3年雇止め問題 総務省解釈で全国で数十万人が雇止め対象  国や地方自治体で働く非正規公務員の多くが年度末となる3月に雇止めとなる恐れが強まっている。  2020年4月から始まった会計年度任用職員制度について、総務省が任用(雇用)契約の更新を2回までとする方針を示したため、制度スタートから丸3年となる今年3月末を前に職員の公募試験を実施するため、すでに2回...
組合活動

1月労働学校「戦争のない社会は可能か?」

〝労働者の協力なしに戦争はできない〟 世界中で大軍拡と戦争の危機――1月労働学校より  「2023年は新しい戦前になるかもしれない」――これは昨年末のテレビ番組「徹子の部屋」でのタモリさんの言葉です。  岸田政権が勝手に閣議決定した敵基地攻撃能力の保有や防衛予算の倍増でこの国のカタチが一気に変わろうとしています。子育て予算をはじめ社会保障費が削減され、一気に大増税や国債発行など国家予算を崩壊させる...
労働映画

映画紹介『家族を想うとき』

映画紹介『家族を想うとき』  前から見たかった映画だが数多いケン・ローチ作品の中で観ていて一番ツライ気持ちに。名匠ケン・ローチが引退表明を撤回して撮った映画がこれほどツライ内容にならざるを得ない。これが新自由主義とグローバリズム経済の世界の現実なのか。もちろん希望を紡ぐ場面も随所にあるのですが…。  英国の東北部の工業都市ニューカッスルに住むある家族を描く。主人公リッキーは、マイホーム購入の夢を叶...
その他

2023年 本年もよろしくお願いいたします。

2023年の新春をむかえました。 昨年は2月にウクライナ戦争が勃発。日本も台湾有事があおられ、昨年末に防衛費の大幅な増額を決定し、国のカタチを変えるような変化がありました。私たちは、23年を「新たな戦前」にさせてはなりません。 物価高騰と大増税にたいして、賃上げ23春闘を闘いましょう。あらゆる地域、職場に労働組合を結成させましょう。労働者は世界じゅうで闘う労働者とともにストライキで闘いましょう! ...
制度・政策

裁量労働制の適用拡大の動き/解釈変更だけで適用拡大

実践的に考える職場と労働法 裁量労働制の適用拡大の動き 法律に手を加えず解釈変更だけで適用拡大  実際の労働時間にかかわらず一定の時間を働いたとみなす「裁量労働制」の適用拡大について、年末、厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会で議論が煮詰まっています。なんと法律に手を加えず〝解釈変更〟だけで押し通そうというのです。トンデモナイ話です。 捏造データ問題  覚えているでしょうか?   安倍政権時代...
制度・政策

保育労働者 深刻化する人手不足と過酷な労働環境

保育労働者 深刻化する人手不足と過酷な労働環境 一斉退職や組合加入しストライキの事例も  園児を虐待したとして静岡県で保育士3人逮捕、富山で2人が書類送検など、保育所をめぐる事件や報道が増えている。県内でも松戸市の認可保育所について同様の事件が報じられた。2021年の認可保育園における重大事故(死亡・30日以上の治療)件数は過去最多。  保育の現場は常に人手が足りず、ギリギリの状態で運営しているこ...
労働映画

映画紹介『ベトナムの風に吹かれて』

映画紹介『ベトナムの風に吹かれて』  松坂慶子主演の日本とベトナムの合作映画(2015年)。ベトナムで働く日本語教師が80歳を過ぎた認知症の母親と共にベトナムでの生活を綴ったエッセイ『ベトナムの風にふかれて』が原作。実話とのこと。  ベトナムの首都ハノイで日本語教師として働く佐生みさお(松坂慶子)のもとに父の訃報が届く。故郷の新潟で目の当たりにしたのは認知症のため夫の死さえ理解していない母(草村礼...
医療・介護

拡大する英ゼネスト/看護協会が初のストライキ

年末年始に拡大する英ゼネスト 王立看護協会が初のストライキ 空前の看護師スト  英国では年末から新年にかけて過去30年で最大規模の歴史的なストライキが闘われている。鉄道・バス・空港・郵便・教員・高速道路・出入国管理職員など公的サービスを担うあらゆる労働組合のストライキがクリスマスから年末に連鎖的に行われた。  とりわけ世界に大きなインパクトを与えたのが国営医療の国民保健サービス(NHS)で働く看護...
制度・政策

労災認定、事業主の不服申し立て制度の新設の動き

労災認定、事業主の不服申し立て制度の新設の動き  労災に関する2021年度のデータ公表があり、年末は労災に関する報道が多かった。アスベストの労災認定は1011人。発症までの潜伏期間が長く、今も毎年1千人前後が労災認定されている。  精神障害による労災の請求件数も増加傾向で21年度は2346件。またトラック運転手の過労死労災は全産業でもっとも多いことが、残業時間が規制される「2024年問題」と合わせ...
制度・政策

都労委がウーバー社に団交命令

実践的に考える職場と労働法 実態からウーバー配達員の「労働者性」認定 都労委がウーバー社に団交命令  東京都労働委員会が11月25日、ウーバーイーツ配達員が労働組合を作って団体交渉を求める権利があるとする決定を出しました。ウーバーイーツユニオンは運営会社に対し配達中に事故があった場合の補償や報酬の決め方の透明性などについて団体交渉を要求していました。しかし会社が拒否していたため、一昨年3月に都労委...
物流倉庫・運輸

世界で怒りの行動 労組結成の追い風

物価上昇に対し賃上げを要求 世界中でストライキが頻発・継続中 労組結成の追い風  ウーバーイーツに、配達員組合との団体交渉に応じるように求める東京都労働委員会の決定が出ました。20人でつくる組合(ウーバーイーツユニオン)が、ウーバーで働く労働者(約10万人)の待遇改善のために3年がかりの奮闘を行い、つかみとった画期的勝利だ。  これまでコンビニオーナーやアマゾンの配達員などが組合をつくって団体交渉...
労働映画

映画紹介『海すずめ』

映画紹介『海すずめ』  2016年公開の愛媛県宇和島が舞台の「ご当地映画」。  主人公の赤松雀(武田梨奈)は宇和島市立図書館で自転車課で働いている。自転車で図書を市民に配達する仕事だ。主人公の雀が図書館自転車課という仕事を通じて故郷とその歴史を知り、成長していく姿を描く。  雀は夢だった小説家として華々しくデビューしたが2作目が書けず故郷に戻って挫折感を持った中途半端な日々を過ごしている。地元は宇...
制度・政策

軍事費2倍でトマホーク配備に突き進む岸田政権

IMF条約の失効 東アジアで中距離核配備の動き 軍事費2倍でトマホーク配備に突き進む岸田政権  日本政府が敵基地攻撃能力保有のため米国製トマホーク500発を購入検討との報道を目にした。トマホークは核弾頭も搭載可能な巡航ミサイルで1980年代に米軍が大量配備した。 80年代の核軍拡   私が中学・高校生活を送った80年代は「新冷戦」と呼ばれた時代であった。62年に米ソの対立が核戦争の危機を招いた「キ...